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s0meokさんのガンナイトガールの長文感想

ユーザー
s0meok
ゲーム
ガンナイトガール
ブランド
CandySoft(きゃんでぃそふと)
得点
85
参照数
2563

一言コメント

ガンナイトガール 超ネタバレ 非公式Q&A <追記>物語の受け止め方について

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

みなさん、ガンナイわ。 (わからない人は、WEBラジオへGO)


年末年始は忙しすぎて、やっとこさ、コンプしました。
コンプ後にレビュー巡りしたのですが、出遅れ長文レビューは二番煎じな気がして、
あんまりやる気が出ないので、ちょっと回収しづらそうな部分をまとめました。
違うだろとか反論があれば、やんわりとレスいただければありがたいです。



① ましろ、恋歌、志乃、環ルートで嫌がらせをしていたのは誰?

ましろ : 夜刀(小夜子) 綾斗の安全を最優先で綾斗に協力しただけ | シックス 特に関与せず
恋歌 : 夜刀(小夜子) 主犯 | シックス ?
志乃 : 夜刀(小夜子) 傍観、見て見ぬ振り? | シックス 主犯
環 : 夜刀(小夜子) 綾斗、環に協力 | シックス 主犯

って感じだと思います。


恋歌はシックスの関与が微妙ですが、主犯については断定してOKですね。
環も特に異論はないかと思っています。(あればお気軽にレスください)

ましろはちょっと微妙なのですが、以下、補足となります。

嫌がらせの内容としては、
・情報提供
・猫の死亡
この2つが問題になります。
シックスが言うには、「ラボの悪事を知らせて母親と敵対させる」っていう嫌がらせだったようです。
小夜子ルートでは、小夜子が綾斗の母を信頼していることを考えると、
綾斗の母親を擁護していないので、シックス寄りのような気もするのですが、
この段階で、夜刀=小夜子を知られてはいけないって制限を考えると、一概に断言できません。
ただ、小夜子は唯奈に書き込みをさせていて、綾斗が矢面に立たないという点で、シックスの思惑からはずれているので、
いわゆる、エイトとしての行動ではない、と私は思っています。
情報を教えたのは綾斗が望んだから、書き込みをさせなかったのは、綾斗に軍の手が伸びるから、
唯奈に書き込みをさせたのは、綾斗を暴発させないため、と言葉通りに受け取ってもいいのではないかなと思います。

猫の死因も小夜子ルートではシックスで確定ですが、
ましろルートでは単純に弱っているところで他の猫と喧嘩して死亡しただけのような気がします。

ましろルートは関与が間接的なので、判断が難しいですが、
あと、ナンバーズの襲撃から身を挺して綾斗を守っていることからも
ナンバーズの計画は夜刀含めて第二区隊とは関わりがないように思えました。

志乃は特に微妙なのですが、ほかのQにも関係あるので、そちらで補足します。



② 志乃ルートでラボ向かった夜刀(小夜子)の台詞「志乃はやっぱり危険」ってどういうこと?

まず、夜刀(小夜子)は妨害に参加しておらず(傍観はしていたかもしれませんが)、シックスが主犯という前提で話を進めます。
もしも積極的に妨害に参加しているのなら、志乃と綾斗の駆け落ちに協力したことと矛盾するように思います。
(ただし、消極的に、つまり見て見ぬ振りをしたことも事実だと思っています。)

志乃が軟禁部屋から出る際に、若い女の人が「今のうち」と言ったという描写があり、
これはシックスだったのではないかと予想しています。

おそらく、夜刀(小夜子)はシックスが志乃に嫌がらせをしているのを知っていたので、
夜刀(小夜子)はシックスに、志乃の逃亡の手助けをして、それに乗じて何かしようと提案した。
夜刀(小夜子)の目的は、あくまで志乃の救出なので、本当はそれに乗じて何かするつもりはなく、シックスの手を借りるための口実にしたのだと思います。

夜刀がラボに戻る際の「仕上げ」という言葉ですが、これは、
シックスがこれ以上、2人にちょっかいをかけないように釘を刺す、そして、
シックスがこれからする悪事を防ぐ、そういう意味だったのではないでしょうか。

ただ、このとき、シックスは夜刀(小夜子)の予想を超えて、試作機と旧型機3機の強奪に成功してしまいました。

ここで、「志乃はやっぱり危険」の台詞に戻るのですが、私が考えたのは2パターンで、
1つ目ですが、夜刀(小夜子)がシックスを止めることができなかった(仕上げに失敗した)ので、
今後も、志乃に軍からの追っ手がかかり、その累が綾斗にも及ぶことを危惧したことから、と考えました。
機密をちょろっと除いた程度であれば、脱柵した訓練兵と駆け落ち相手の2人程度を探すために、
軍が人手を割くはずがないので、綾斗は安全だと、夜刀(小夜子)も最初は考えたのだと思います。

しかし、最新鋭試作機の強奪の罪状まで加われば (シックスが志乃に罪を被せれば)、
きっと軍も躍起になって志乃(同時に綾斗も)を探します。
そうなれば、夜刀(小夜子)にとっての最優先事項である、綾斗の安全は守れなくなります。
そのため、「志乃はやっぱり危険」という言葉が出たのではないでしょうか。


2つ目、これはかなり裏技気味なのですが、最後の通信時、すでに夜刀(小夜子)はシックスに殺されていて、
シックスが面白半分というか、嫌がらせで、声帯模写をして綾斗に伝えたという予想です。



③ じゃあ、なんで恋歌ルートでだけ、夜刀(小夜子)は暴走しちゃったの?

これまでのQ&Aの①、②を見ていただければわかるように、
もちろん他ルートでも嫉妬からか、単純に綾斗の身を案じてかはわかりませんが、
「その娘はやめたほうがいいんじゃない?」的な発言は繰り返しますが、
夜刀(小夜子)が明らかに、愛ゆえ(強調) の暴走をしているのは恋歌ルートのみです。

他ルートではまがりなりにも、綾斗は、急に失踪した小夜子の身を案じて、捜索したり、気に掛けているにもかかわらず、
恋歌ルートでは、そんなこと忘れて、恋歌とギシギシアンアンしちゃってるので、寝取られ感が強すぎて、
ヤンデレさんがぶちぎれちゃったのではないかなと思います。


④恋歌ルートで0号機に乗っているのは誰?

結論から言うと、シックス です(予想)。

コンプ後の皆さんはすでにご理解いただけていると思いますが、
ナンバーズは小夜子1、小夜子2、、、、、 みたいな人工知能の集合体ではありませんね。

小夜子自身が乗っているなら、「小夜子はもういない」云々の台詞は意味不明です。

とすると、「小夜子の意思を受け継いだ」云々はシックスの口から出まかせと考えるのが妥当ではないでしょうか。

「先輩を狙えば、小夜子は出てくると思って賭けてみたんですが、上手くいってよかったです」
とか謙遜しつつもドヤ顔の恋歌ちゃんですが、実は、小夜子は0号機に乗っていなくて、
「なんか盛り上がってるし、乗っかっておくか」とノリのいいシックスが便乗しただけというのが真相ではないかなと思っています。

小夜子については、いろいろやっちゃったので、綾斗のお母さんが何かしらの処分をしたんだと思います。


⑤ 環ルートで敵の自爆を環が防げたのはなんで?

これは割と簡単ですが、念のため、書いておくと、小夜子ルートで環が使っている、
アンシメトリックマテリアル、要するに一方通行のバリアーですね、こいつで防御したんだと思います。
新しい義手の新装備だそうな。


⑥ 環のオーバード手術にサインしたのは?

言わずもがな、我らが千歳隊長だ!、総員、敬礼!!
ちなみにイーグルアイもオーバードだ、わかっているのか貴様ら!
小夜子ルートで隊長の目が緑色に光っていただろう!
環から端末なしに直接、情報の共有もしていたのを忘れたか!

ということで、千歳隊長もオーバードみたいですね。
ただ、環と違ってあんまり、気に入っていないご様子でした。


⑦ 千歳隊長がヒロイン昇格のFDは出ますか?

2013年○月×日発売「ガンナイトレディ」にこうご期待。
黒ストに赤のピンヒールで踏まれて、「囀るなっ」って罵られたいみんなは、
清くなくてもいいので、人気投票で千歳隊長に1票を!!


まったく関係ない話ですが、五行なずなファンの私は、
1月発売の銀の刻のコロナFDでミュリアルさんがハブられ、
同時に、当作品に出演なさっている萌花ちょこさんのファンでもあるので、
ころげてFD であげはがハブられたことに対して、
何で人気投票に参加しなかったのかと、煩悩に染まりまくった一票を投じなかったのかと
自責の念に駆られています。

先日の衆議院選挙も同じです。
後悔先に立たず。
不参加なんてもってのほかですよ。

今回参加しなかった人は次回、ちゃんと参加しましょう。
戦争と政治ではジャンルがまったく違うかもですが、
最前線に立てないやつにもできることはあるよねと、この作品を通してちょっとは感じられるのではないかと思います。





<追記> 物語の受け止め方 について

感想レスのほうで色々とご意見いただいたので、私がどのようにこのお話を読んだのか書いておきます。


まず、
「いつか戦場へ行く大切な人に、無力な俺ができることはなんだろうか?」
パケ裏にも書いてある通り、これがこの物語の主題だと思って読みましたし、プレイした結果、そうだと思っています。

ましろルートでは、消極的な肯定、「行って欲しくないけど君の帰りを待つ」、
志乃ルートでは、否定、「戦場になんて行くな、側にいて欲しい」、
恋歌ルートでは、肯定、「戦場に行く君の背中を押す」、
そして、環ルートでは、「戦場にいるあなたの所まで俺も行く」、
という具合でした。

これが、この作品のメッセージ性に当たる部分だと私は思っています。
でも、メッセージがどんなにすばらしくても、消費者の手にとってもらえなければ、ただのゴミ、
エンターテイメントに溢れた現代の悲しいところで、良い物なら売れるなんてのは作者の慢心です。
そして、メッセージそのものは戦争物の小説で使い古された題材なのですから、なおさら。

じゃあ、ここで重要になるのは、この作品のエンターテイメント性です。
軍の暗部、万能の夜刀、ラボの陰謀、ナンバーズの計画、オーバーテクノロジー、どれも男心というか中二心をくすぐります。
これらは、どれも消費者に手にとって貰うための要素であり、作者の伝えたいテーマではないと私は思っています。
プレイした皆さんは事の真相が気になりつつも、何もできない綾斗と戦場に向かう少女たちとの関係に注視できたと思います。
無力な主人公さえ許容できれば(というかこれに拒否反応がでると話が進まないのですが)、
エンターテイメント性からこの作品に没頭して、作者の伝えたいメッセージに目を向けるきっかけになったという点で、
間違いなく作者の目論見は成功していると思います。

このように、綾斗はいつか戦場に向かう彼女と触れ合って、何を思い、迷い、そして最後にどんな決断を下すのか、
それに注目して呼んでいたので、私の中では、ガンナイトガールという作品はぶっちゃけ、環ルートが終った時点で完結しています。
小夜子ルートはあくまで、ユーザーに読んでもらうためにばら撒いた伏線の回収とエンターテイメントとしての総括でしかないという印象でした。
とりわけ、その印象を強めたのは、レールガンのトリガーを綾斗が引いたシーンです。
環ルートのように大切な人の側に行くため、というわけでもなく、成り行きでトリガーを引くというのは主題から逸れすぎています。
もちろん、エンターテイメントとして見た場合は、熱かったです。燃えました。


といわけで、ガンナイトガールという作品を、
小夜子ルートありきで見るか、小夜子ルートはおまけと見るかで物語の受け止め方にどうやらかなり差が出るようです。