霧谷伯爵家の六姉妹→聖エステラ学院の七人の魔女→系列のクローズドサークルのサスペンス。今回は雰囲気がいいのが特徴。ただ、展開が遅い、エンディングもパッとしない、字が小さくフォントが変えられないので見辛いなど欠点もある。ただバックログから以前のテキストに戻ってそこから再開できる点は便利である。これでもこの系列のゲームは好きなので90だろうか。
本来だったら同じ隠し通路の同じ穴にみんながこぞって殺到し、押すな押すなの大騒ぎで収拾がつかなくなると思うが・・・。
最初、1週目をやりながら思った。オヤッ、全体的に女性声優陣が下手というか棒読みっぽい印象を受けたこと。ところがHPを見ると女性声優陣はそうそうたる面々。ちょっとこんなものかなあ、とは思った。声優陣は「とにかく特に丁寧な口調で話すように」と厳命されているのかも知れないが、おそらく以下のような事だと思った。
このゲームは展開が遅いので、1週目はほとんど物語は進行せず、物語の断片となる謎を残すだけで終わるので、ハラハラするシーンやエロシーンはほぼない。館の人間との会話ばっかりなので、そこが単調に思えたのかも知れない。雰囲気のいいゲームなのだが、もう一押しするべきだった。たとえば「私」は「わたし」と読んでいるが「わたくし」にするとか。その方が上流階級っぽい。
あと、男性声優の名前を書いてほしかった。
字が小さくて辛かった。フォントを変えられればよかったが。
わからない謎も多い
百合のエンドで、誰が何の目的で百合を殺したのかがわからない。
ハーレムルートで、婿争いに敗れ館を出て行ったはずの薫とさつきがなぜかいる。
莉理香のエンドで最後の選択肢のもう一つ(田所に会いに行く)からわかるが、仮に莉理香と一緒に出て行っても、そのあとの館の人間は化け物と化した宮司に全部食われてしまうため、莉理香らはあのような贅沢が出来るかどうか疑問である。後味が悪い。
まともなエンドは絢ぐらいである。
あともう一つ足りないエンディングがある。
この館をいわば悪魔の館とするなら、そこに迎合する結末、自分も一緒に悪魔の手下になるエンディングが必要。たとえば円山の手下になって、おこぼれをもらう、
円山「オレは莉理香をいただく。おまえには百合と絢をたまにおもちゃとしてくれてやろう」
芳人「へえ、旦那様、ありがとうございます」芳人は円山の靴を舐めながら言った。
みたいな結末。これは必要だと思うが。
もう一つは百合ルートからこの館を支配してしまうバッドエンドがあったが、ここは祠に行くかどうかの選択肢がほしい。そして行く選択肢では現行エンド、行かない選択肢ではそのまま館を支配する。で、このエンドを莉理香ルートに加え最後の選択として、館を支配するか、莉理香と共に逃げるかとした方が私は良いと思った。どのエンディングも後味が悪すぎるので。