パッケージの背表紙がすっごいネタバレだけどいいんか
ずっと気になっていた。安値で見つけて遂にプレイ。
結論から言うと、それになりに楽しめた。序盤がやや冗長なのと、終盤が駆け足である事に目をつぶれば、全体的にバランス良く、プレイヤーの興味を煽る仕掛けを施してある。
複数主人公の視点から語られる構成が、しっかりシナリオに落とし込まれており、キャラの生々しい内面が覗けるのは面白い。
便宜上か雰囲気づくりのためかは分からないが、TIPSがあるのは、個人的に嬉しい。真相に近づいているような感覚があじわえるからね。
駄作にありがちな意味のない日常回や冗長な会話があまりなく、各イベントにはそれなりに意味がある。進むごとに徐々に物語のピースが埋まっていく感覚は、こういった作品ならでは。終始鬱鬱とした雰囲気で、あくまでもループ&閉鎖ものとして進めたのはスマートで良い。
そんな本作で一段と明るくウザ目に振る舞う○○が実は…の展開は、良い意味で騙された。一人称視点で進められた段階では予想していなかった。まさか最重要キャラだとはね。
あと、ボーカル曲が豊富、8曲もある。貴重なキュマバロウ、クサカンムリの関わった曲が聴けるのは嬉しい。
気になったのは深掘りや説明がやや物足りないところ。(PSP版は補足シナリオがあるっぽい?)
こんな特殊な環境下なのに、中等部以前の生活や想い出などにはほとんど触れられない。あの頃何々があった〜という回顧がもう少し有れば、伏線にしたり、島の異常さをよりプレイヤーに伝えられたかもしれない。
島の全体像も描写不足。学園、寮、フォルムたまに海岸、図書館、風車前。他にも施設があるっぽいが、作中では出てこない。なんだか行動範囲が狭すぎて不自然。娯楽施設、商業施設とか全く無いのかな?
展開が唐突で、はっ?なんで??ってなることもしばしば。女史の銃が暴発したの笑った、どういう理屈やねん。○ちゃんの最終盤でのサイコ要る?ちょっと精神的に弱い子程度で良かったのでは。
あと、クイックセーブが毎回消えるの面倒だった。この仕様誰得?
なんやかんやで、全て○○の○○を巻き戻す(イジる)謎の力のおかげで何とかなりましたって事で良いんですかね。私は読解力が無いので、いまいち納得しきれませんでした。
色々グダグダ言ってしまったが、暗めのループ&閉鎖ものがやりたい人には、ちょうど良いと思う。最終盤の○○の優しい語りは泣けますし。ただ、まあまあ倫理的に厳しい描写があるので、耐性のない人は注意が必要。