「属性」あってのものだね。
『だぶる先生らいふっ』の何よりも凄いところは、徹底的なスリム化に成功しているという点ではないでしょうか。
本作は必要のない部分を極力削って「同居系どきどきえっちアドベンチャー」に一点集中、見事これを廉価で具現しています。
ポイントは贅肉を無駄なく落として、美味しい部分はきちんと残している点です。
例えば“萌え”であれば、フルボイスは何よりも大きい要素ですし、シナリオではシリアス化など萌えを阻害する成分を極力排除しています。
そして、起承転結の内、ほぼ起承だけで物語を終わらせているのは、不必要なテキストとそれに追随するボイス量を削ることに繋がっており、結果コストの削減になっています。
また、そんな短めのシナリオの中で恋愛分をカバーする為にヒロイン視点を設けており、ここで彼女たちの秘めたる想いを逐一描写して、プレイヤーに安心感とヒロインに対する愛着をより持たせようとしています。これは実に効果的で、
溌剌さと爽やかな色気が同居する、いかにもモテそうなおねーさんが。クールで怜悧、いかにもおカタそうなお姉さんが。
実はその胸の中で主人公への想いを募らせるような、純真な乙女だったら…。
…こうしたギャップ萌えをより浮き上がらせています。
そして“エロ”。前作『よくばりサボテン』よりもかなり濃くなっています。
第一に変わったのはやはりグラフィック。良くも悪くもライトだった前作から、より色っぽい、肉感的な絵柄に変更されています。
また、登場ヒロインは年上キャラが多く、主人公がリードされる展開が増えているので、同じ“言い寄られ系”と言えど、どちらかといえば恋愛部分だけ迫られる感があった『ばりテン』よりもエッチで迫られる傾向が強くなっています。
ただ、多少マシになったとはいえ、相変わらずCGの使いまわしは多いです。
『ばりテン』にしろ本作にしろ、この価格帯で“萌えエロ”をやるなら(HCG率100%にしないのなら)、この位(Hシーン数20、HCG30枚程度)がコストの限界なのかな、とも思いますが。
以上のような感じで、本作はコスト抑えつつも、その中で最大限萌えとエロのバランスをとった、かなり優秀な萌えエロゲーだと思います。
この作品のストーリー展開やキャラクターに前衛的な部分はありません。そのどれもが、美少女産業が過去に創り上げてきた「テンプレ」に当て嵌まるでしょう。
しかし、実績のある記号を的確に拾ってきて、それを上手く配列しているので、それだけに安定感が抜群で、手落ちが無いのです。
確かに十八番であるゲーム性や燃える展開もありません。しかし、制約のある中で極力いい作品を作るための企画力、プロデュース能力はやはり本物。改めてアリスソフトという老舗の力は凄いと思わせる廉価作品ではないかと思います。
…が、ここまでの賛辞は以下属性を持っている私だからこそのポジティブな評価であることを留意して頂きますよう、宜しくお願いします(苦笑)。
◎ 女教師・おねーさん・受け身エッチ・誘惑・やきもち・一色ヒカル(うりうり)
○ 萌えゲー・ご都合主義・メガネ・クーデレ・おっぱい・中出し・スーツ(タイトミニ)・黒スト・かわしまりの・神エロアニメ『Hi・Me・Go・To』
△ ハーレム・同居・指示棒・下着にワイシャツ・メイド・その他コスプレ
【◎…座椅子ごとひっくり返る、もしくは転がる ○…ニヤニヤ △…ちょっと幸せ】
以上は10分ほどで書き出したので、適当だったり抜けてたりするかもしれません。ですが、
『だぶる先生らいふっ』のOHP>すぺしゃる>お答えコーナー第二回
を見て、思わず頷いてしまう方なんかには、この作品を是非ともオススメします。…こういう人たちが作っていると思うと安心して購入できます(笑)。