このゲームをプレイするなら、エロゲを最低30本、出来ることなら50本はクリアしていて欲しいところ。100本超えてる貴方は是非やるべき。評価が高いからといって、エロゲ初心者が簡単に手に取ると痛いです(色々な意味で)。
名作・駄作問わず、とにかくエロゲーについての造詣が深ければ深いほど、愛があればあるほど、このゲームの魅力は増します。というか、エロゲー(ギャルゲー)のセオリーみたいなものを理解しているとしていないとでは、かなり面白さが違うはずです。完全にエロゲー中級者~上級者向けの作品といえるのではないでしょうか。
他の要素としては、アニメ(特にガンダム)・マンガ・同人関連・2ちゃんねるなどになりますが、特別詳しくなくても結構雰囲気だけで笑えます。
ただ、絵柄といい、テキストといい、かなり人を選ぶのもまた事実。オープニング終了後、本編始めの十分で苦笑い出来ない人は、多分最後まで笑えないはずです。
特筆に値するのが、音楽と演出。
広範囲に渡って炸裂するギターサウンドが、軽妙で奇妙なテキストと相まって、ノリノリで読めます。個人的名曲『star boy,ether girl』は特にノリがよくていいのですが、逆にしんみりした場面で使われる件の曲のアレンジ版は、原曲が耳に残っているだけに効果抜群。
そこに、画面を隅々まで利用した、テキストカットイン演出。声優さんの熱演もあり、亜季ルートの独白とコミフェの説明は特に凄かったと思います。ここだけみれば「はるのあしおと」に迫るかもしれません(…言い過ぎか)。
シナリオに関しては、かなり特殊かと思いきや、個別ルート以降は普通というか、エロゲーの常道的な展開。…というより、恐らくエロゲー脳を狙い撃ちして作ったシナリオ。各個別ルートで、エロゲの代表的なシチュエーションをほぼ網羅しているのではないでしょうか。
ただ、ぬくいゲームに浸りきっている私は、紗絵ルートは痛かったです…。エロゲの代表的シチュエーションの一つとはいえ、寝取られマジでキツイっす…。
PCエンジン版同級生(メガネ新キャラ名前忘れた)や、君が望む永遠(水月)の頃は、こういうの別に平気だったんですけど。あの頃の正常(?)な脳に戻りたい…。
ともかく、設定勝ちというか、先にやったもん勝ち的な内容ではありました。ただ、それだけでなく、全体的なクオリティも高かったと思います。この先、似たようなコンセプトの作品が出たら、それはきっと『らくえん ~second brew~』と呼ばれてしまう程に。
最後に、なんだかこのゲームやっていたら、もうエロゲーやめようかな。と、ふと思いました。自分の夢をもっときちんと追いかけなきゃ、と。
…でも、数日経つとまたエロゲーを手に取ってしまう、あいかわらずなぼく。