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rurubuさんのこの青空に約束を―の長文感想

ユーザー
rurubu
ゲーム
この青空に約束を―
ブランド
戯画
得点
90
参照数
281

一言コメント

戯画の誇るねこにゃん&丸戸史明タッグに惹かれての買い。パルフェとは似て非なるモノでした(私的に)。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

『ショコラ』『パルフェ』と確かな手ごたえを感じてきた、このペア。
ただ今回は舞台が田舎だというだけでなく、そのテーマも一変していました。

プレイヤーがこの世界に入り込んだ瞬間から、約束された別れへのカウントダウンが始まります。
大概の純愛物では「ああ、このまま幸せが続くのだろうな」というラストシーンで締め括られるように思いますが、
本作では個別ルートのほとんどで一時の別れを予感させ、エピローグとなります。
もちろん物語の重要イベントとして「約束の日」の情景は盛り込まれますが、
あくまでプレイヤーが体験する順序は「平穏な生活→再会→乗り越えるべき別れ」というもの。
オールクリア後のじんわりくる気持ちは格別のものがありました。

それにしても丸戸氏はテンポの良い会話シーンにどんどん磨きがかかってます。
シナリオの衝撃度では『パルフェ』に及ばないように感じた本作ですが、それを補う面白みがあります。
シナリオ以外でも、画面にヒビが入る演出等「おっ?」と思わせる要素も巧みでした。

ただ残念だったのは、付き合い始めてからの展開が急すぎる(エピローグに一直線)なキャラが複数いた事。
これは特に会長ルートにおいて顕著で、呆気なさを憶えるほどでした。

総括。今年に入ってから、やっと1つ目の大当たりが出たという印象でした。
というわけなので久しぶりに90点台を付けても良いかな・・ということで、若干甘めです。

ちなみにお気に入りキャラは凛奈、奈緒子、沙恵里。
沙恵里は「全く」期待してなかったのに、ここまで気に入るとは(汗)
依存っぷりもここまでくれば対したものです。