素晴らしいの一言ですね
前作とはベクトルの全く違う作品でしたが、私としてはこういった切り口の話の方が笑にあったといいますか、作品の質の高さは筆舌に尽くしがたいものがあります。
吸血鬼ものの作品でここまで淫靡なものもないでしょう。吸血鬼の気高さを汚す、なんて吸血鬼ものにありがちのはずのことでさえ、またエロゲでならよく見かける朝起こしに来てフェラチオするだけのシチュエーションでさえ、官能を覚えます。
原画、背景、BGM、文章、どれをとっても良い。滋比古の語り方や洋館の不気味さ、いかにも古めかしく、その雰囲気の深さ暗さの一助になっているように思います。つい、作品の中にのめりこんでしまいます。
ただ、時代軸がはっきりしないため(アイフォンなど)細かく見ていくと不自然さは感じざるを得ないかもしれません。またシナリオは短いしキリエは結局デレデレなので、ちゃんとした伝奇小説めいたものを期待してしまうと物足りなさを感じると思います。
ですが何より驚くべきなのが値段。この値段でここまでのものが出来るというのには驚きました。シナリオは一本道で短いため妥当ではあるのですが、この質の高さを考えると安いとも思えます。
私自身、彼女に惹かれてしまってしまいそうです。滋比古でなくともキリエの美しさに惹かれるほかないでしょう。
値段対効果が今までで一番良かった作品でした。
次作、楽しみに待っています。