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rpmifさんの13人の麗しきケダモノの長文感想

ユーザー
rpmif
ゲーム
13人の麗しきケダモノ
ブランド
Mink
得点
76
参照数
1515

一言コメント

B級グルメとしてはおいしい

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

魔女狩り裁判?テーマとしてはおもしろい。
が、終わってみればやはり粗が多く、改善できる余地がたくさんあったと感じた。
そういう観点からどうしても不満がメインの感想になる。

○Hシーン
実用的(純愛→レイプ=NTR)だが、圧倒的に少なく感じる。
ガキどものくだらんおしゃべりに対する鉄槌として最後に叩き落とすだけではなく、途中、バッドエンドの種類を増やして欲しかった。
あくまで犯人の過激思想を示すためのビデオを媒介するだけでは微妙に抜きどころとしてはずれている。
実際に、生でレイプされてそれを見るパターンや、実は犯人視点でレイプ願望を持っていて楽しんでいるなどの臨場感が欲しい。暴行後の一枚絵は非常に素晴らしいのでその過程をどう楽しんだのか表現すべきだった。松下無双も4つ中、夢オチ2はさすがにあり得ない。そんなところだけ松下視点。

○シナリオ
舞台用意から、犯人無双までのタネ明かしが納得いくものではなかった。
悪魔は特定人物に限定される理由もなかった。
キャラ別エピソード中心のシナリオは肝心の舞台とは一切関係がなく、本来の人狼のシナリオを純化できなくなったのではないか。

○よかったところ
自分さえ悪魔に指名されなければいいので、根拠のない空気のせめぎ合いで空ぶる流れは説得力はあった。何かセンセーショナルことが起こるんじゃないかという非日常体験を予感させる世界観はプレーを進めるのにはプラス。

○総評
いいところはハッキリ出ているが、それをかき消すものが必ず存在するちぐはぐさ。
テーマは重いが、キャラは軽い。恐怖はあっても、感動はない。
人が死んだのに次の場面では、なんかキャラが変わったかのように違い話題をしちゃってるところが象徴的。