ビジュアルと音楽が秀逸
トリノラインとはなんだったのか。
記憶を保持していても、それで生じる自己意識は同一体ではない、というお話。
なんだけど、グランドルートたる沙羅ルートが別の話するから一貫性が微妙にない。
序
幼い頃に妹を亡くし未だに心を閉ざしている主人公・舜の心を開けるために、そして自分を愛してくれたアンドロイド・ルビィを目覚めさせるために、幼い頃から研究に明け暮れていた沙羅が、ついに記憶をベースに思考するアンドロイド・トリノを完成。
その実験モデルとして、舜の妹・シロネを選んだ。
シロネは設定通り、妹として、娘として七波家で頑張ろうと張り切るのだけど、母さんが拒絶。
舜もシロネを妹の白音とは見れなかったのだけど、それとは別に大事にしたかったので、母さんと別居して実験を継続。(大いなる力で何故か実験を継続出来ないのが沙羅ルート)
母さんの拒絶からか、シロネも自分が白音とは異なる存在であると自覚。
ついぞ好き合ってしまった。
メンテデータから沙羅はそれを察知。
妹という設定を破った行動を、バグと判断。
修正を宣言するが、この気持ちを消された自分はもはや自分ではない別個体とシロネは思い、入水自殺を図るも、自分を追って溺れた舜を助ける。
なお、これで舜はどこかに頭を打ち記憶喪失へ。
夕梨ルート
難病で死を覚悟している夕梨が舜とのために残そうとしたトリノユウリに舜がゾッコンになっちゃって、夕梨が浮気された!って泣く話。
夕梨とユウリが別個体なのは自然に感じるし、当然のようにも思うので、そこをクリアできない舜の愚鈍さにかなりイライラさせられた。
ようやく目を覚ました舜がユウリに別れを告げるのだけど、ここもまぁ心無い野郎で、二重に腹立たしい。
でもユウリは天使だったからお別れのシーンは良かったよ。
生かされるような人生を送るよりはしっかり生きて死にたいという夕梨のことは支持出来るし、そこをどう覆すかが舜の頑張りどころだったはずだけど、理屈もクソもない「諦めるな!生きろ!生きろ!」しか言わなくて、トリノラインは世間的にそんなに評価されないと思うけど、その原因の大部分がこの主人公にあると思う。
そんなクソ説得だけどまぁ頑張ろうってなって、なんだか幸せにこれからも生きれそうだねエンド。
なお、シロネは記憶喪失になった舜が自分のことを喜んでくれなくて、自分が愛した舜ではないと判断。
辛いだけなので二人が好き合った記憶をデリートしてもらった。
そういう意味では、このシロネはすでに別のシロネなんだなぁ。
シロネルート
記憶を失っても懲りずに好き合う二人。
実験終了を宣言され、最終日に脱走。
「自分の意思でいなくなって初めて私は人間になれる!」とかアブナイこと言い始めて、おそらく記憶消去プロセスを起動したが、時間がかかるのかなんなのか、舜が沙羅の研究室に運んでメンテされるまで消去は動作しなかった模様。
目覚めたシロネに、トリノには人の心が宿っていると沙羅ちゃん博士の最近分かった事実解説。
人の心ならOK!と自殺を諦め一転ハッピーハッピーに。
一方、永遠を生きるシロネと共に在るために、舜(と沙羅)は軽い気持ちで舜のトリノ化を目論み過剰に脳をスキャン。
だけど、何か違うんじゃないかと思い直す。こんなことで不機嫌になってシロネと喧嘩。
シロネにトリノ化しようと思ったけど諦めたことを話すと、なぜ諦めるの!?とシロネおこ。
シロネはトリノ化しても同一の存在とこの時はまだ思っていた模様。
ここで記憶喪失するような脳のダメージに加え過剰な脳スキャンにより突然余命宣告状態に!
もうトリノにするしかないじゃんって状態だけど、自分が自分であるために、トリノ化を拒否。
確かにトリノ舜はお前じゃないかもしれないけどさ、それで救われる存在がいるかもしれないじゃん。
そのまま舜死亡。
シロネも後を追って記憶消去。
死亡エンドだけど、良かったですよ。
舜が逝く時、シロネが「お兄ちゃん!」を連呼するシーンはこのゲーム内で五本指に入る名シーンだったと思う。
でも、あまりにも飛び道具すぎるので、これはこれでいいからさ、舜が死なない話も作ってよ。
沙羅ルート
こちらは舜とシロネが恋人関係にならず、海難事故もないので舜の記憶が消えない。
沙羅を邪魔をする所長により上手くいかない沙羅。
相談相手として作ったトリノサラに自分の方が研究者に相応しいと言われ心折れ、身投げするところを舜に咎められそのままお付き合いへ。
所長がなんで邪魔するのかイマイチよく分かってなかったんだけど、トリノサラを利用して研究を続行させるつもりだったのね。
言うこと聞かない沙羅は邪魔だったんだ。
好きだけど知能が低い舜のおかげで人間のパートナーに相応しい存在は、完璧なアンドロイドではなく不完全な者だと理解し、それを実装した真トリノを完成。
ロボット三原則に頼らない真トリノはちょっと今の人間にはまだ早いと考え消去しようとするが、所長の罠にハマり身を拘束され真トリノも奪われる。
所長の野望は研究で舜の父である七波博士を上回り支配者になること。
真トリノに自分の命令は聞くよう設定するが、あっさりトリノサラに裏切られてドロップアウト。
人類の合理的平和のため、バーチャル空間で飼育してあげるって行動に乗り出そうとするトリノサラを止めに謎の技術で意識をデータ世界に飛ばしトリノサラと対話。
愚かさすら人間の幸せ!というよく分からないことがトリノサラに受け見守ってもらえることに。
いやさ、ここは理屈じゃない何かがあって、トリノサラが「そんなバカな・・・理論的にあり得ない」とか言って人間を再評価するようなシーンなんじゃないの!?
沙羅は人間をもっと知るために世界へ旅に。シロネもお供。
シロネは実験凍結時の記憶データ残ってたみたいで、ちゃんとシロネとして戻れたみたい。
舜もその旅に誘われたが、それを断り研究生に応募。
ようやく無能から足を洗おうとし始めたけど、別に無能でいいじゃん一緒に旅行こうよ。
改めて、トリノラインとはなんだったのか。
沙羅ルートが邪魔なんだよねぇ。別に矛盾してるとかではないんだけど。
あの日を取り戻す -> 舜の心は夕梨がすでに癒してくれてました
それでも、わたしは
-> めっちゃ好きなフレーズなんだけど、別に大した使い方をされてもいなければ、大して出現もしない、なんでキャッチコピーにされたのかよくわからん
すげぇ!俺はそれでも楽しんでいたはずなのに、文句しか言ってない!!
話は正直凡でな。
他の要素。
・ビジュアルが美しい
・BGMが綺麗
・演出が凝っている
・ビジュアルが美しいとても
・シロネかわいい
・夕梨正妻
・ビジュアルがとても美しい
てな感じで良かったんだよ!