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roomriteさんの9-nine- ゆきいろゆきはなゆきのあとの長文感想

ユーザー
roomrite
ゲーム
9-nine- ゆきいろゆきはなゆきのあと
ブランド
ぱれっと
得点
95
参照数
912

一言コメント

期待の遥か先を行くシリーズ最高傑作

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想


マジでネタバレです。この思いを吐き出す場所がなかったのでここで出します。未プレイの方は見ないでください。



前作ではイーリスを撃退こそしたものの完全に殺すことは出来ず、今作の目的は最初から最後までイーリス打倒でした。今作では主人公は最初からオーバーロードという能力で枝を飛び回ることが出来ると知っており(本当は自分の能力ではないが気付くのは終盤)その能力を使って最善の結果を得ようとしていました。イーリスを倒すため、仲間を早期に集めようとしたり、これから起こる以来の話を仲間に打ち明けたりと奔走する姿は、過去3作やってきたプレイヤーからすると感慨深いものがありました。

最初から最後まで面白かったですが特に良かったのはやはり後半の、イーリスを倒した(?)所からでした。私は少々物足りなさを感じたものの、まあ無事に終わってよかったなあと思い、スマホをいじりながらEDを見ていたのですが、令和入ってから一番驚いたんじゃないかと思います、急に画面が割れイーリスが現れ時間が巻き戻されました。
そこから始まる過去作がとてもぬるく感じられるほどの絶望感のオンパレード、息が詰まりました。イーリスは希望を与えてから絶望に堕とすといったようなセリフがソフィから出ていましたが、この演出は完全に油断しきった我々プレイヤーを狙ったものだったのだと思います、まんまとやられました。しかし、しばらくの間絶望をひたすら味わった後に行われた最終決戦は、くどいようですが過去最高の出来でした。この高揚感と、私自身が主人公に同調してるような一体感はあの絶望パートがなければ味わえなかったと思います。
散々書き連ねましたが、要はとてもよかったです。伏線の回収も鮮やかでした。
日常パートについても笑えるものが多く(今となっては笑えないのもある)、希亜ちゃんはとてもかわいかったです。
やっぱ夏和小さんなんだよなぁ一生付いていきます。