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rjmfさんのガラス姫と鏡の従者の長文感想

ユーザー
rjmf
ゲーム
ガラス姫と鏡の従者
ブランド
戯画
得点
60
参照数
464

一言コメント

閉鎖的な学園で行われる興ざめドンパチファイティングゲーム

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

得点内訳

【グラフィック】
・イベント 6/10
・立ち絵 4/5
・背景 4/5
【シナリオ】
・構成等 5/10
・分量 7/10
【音楽】
・ボーカル 3/10
・BGM 6/10
【システム】
・機能等 8/10
【演出】
・演出 8/10
【エロ】
・エロ度 5/10
・量 2/5
【裁量点】
・裁量加点 2/5

合計 60点

【感想箇条書き】
・イベント絵(エロ以外)は悪くはない。独特であり、精緻なようでざっくり。雰囲気はでていたのでよい。
・立ち絵は概ね満足。衣装も少ないが、複数ある。
・特段の前情報もなくプレイした身からすると、シナリオは思っていたものと大分異なった。よくあるお嬢様学園モノの雰囲気というより、王家の家系争いに子どもたち(主人公を取り巻く登場人物たち)が振り回され、結果として派閥による争いごとやドンパチシーンを多数見せられることになった。正直、この手のジャンルにこういうものは求めていない。少なくとも私は。なのでウンザリするほどのドンパチシーンが興ざめだった。書き漏れもあると思うが
①龍未とのあいさつ代わりの決闘
②奈緒美ルートでの過去回想(前世)
③織姫ルートでのデートでの茶番
④アンナルートで龍未との再決闘
⑤ベルルートでのレオと決闘
⑥ベルルートでの消灯時フレンダ戦
ざっと思い出しただけでも、これだけの戦闘描写がある。別に戦闘描写を避けてくれとは言わない。
この手のジャンルにはある程度仕方のない要素だとも思ってはいる。しかし圧倒的に面白くなかった。

途中から、私は一体なにが見たくて、何が読みたくてこのゲームをしているのかが分からなくなった。
ベルルートでのレオとの決闘の仲裁で、ベルが二人に説教するシーンがある。そのセリフに「幸せだの不幸だの、男同士で勝手に盛り上がって、何がしたかったんです?」というものがあるが、ゲーム全体を通して本当にこれだった。

・ドンパチ以外にも、織姫を取り巻く非電源ゲーム部の描写もいくつかあるが、カードゲームやら謎解き問題やら、こちらもなぜわざわざこのジャンルのゲームにこれを取り入れる必要があったのか甚だ疑問を感じざるを得なかった。
・シナリオ全体を通して、全キャラルートで街に出てデートに行くというシーンは設けられているものの、基本的には閉鎖的な学園内で話は完結しており、バックグランドとしての彼ら彼女らの家系の人物は基本的に乱入してこない。直接乗り込まれもしないが、乗り込むこともしない。実際の格闘ファイティングだけでなく、家系によるいざこざもずいぶんと貧相な構成だった。
・シナリオ分量は並。キャラ分岐も非常に分かりやすく、ルート分岐のストレスはない。
・BGMは無難。
・OPのボーカル曲は高度なテクニックで歌ってるのかと思ったが・・・深く突っ込まないでおく。なんだかこちらが申し訳なくなってしまうので。
・システムはキーコンフィグができたり、ある程度の自由度があり合格点。強いて希望をだせば2021年のゲームなんだからFHDくらい対応してくれてもよかった。
・立ち絵演出は特に問題なし。
・立ち絵はかわいいのにエロ絵がたいしてエロくなかった。数も少なめ。ベルのシーンでの白い液体の飛び散り方が少しキモかった。

【最後に一言】
一発でキメてしまったアンリ様の力の抜けた絵が面白かった。