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rjmfさんの金色ラブリッチェの長文感想

ユーザー
rjmf
ゲーム
金色ラブリッチェ
ブランド
SAGA PLANETS
得点
85
参照数
673

一言コメント

大きく意表を突かれた学園ゲーム。いい意味で期待を裏切ってくれました。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

得点内訳

【グラフィック】
・イベント 9/10
・立ち絵 5/5
・背景 5/5
【シナリオ】
・構成等 8/10
・分量 9/10
【音楽】
・ボーカル 7/10
・BGM 9/10
【システム】
・機能等 9/10
【演出】
・演出 9/10
【エロ】
・エロ度 7/10
・量 4/5
【裁量点】
・裁量加点 4/5

合計 85点

【感想箇条書き】
・全体的なボリューム・シナリオ内容から、エロゲ入門に最適なゲームのひとつと捉えてよいかもしれない。
・イベント絵の完成度も高い。ただし、シルヴィルートにおけるラストの絵など、若干馴染まないものもあった。
・立ち絵のかわいさは素晴らしい。衣装によって髪型まで変えてあるのも面白い。
・背景の書き込みも手抜きがない。

・シナリオの全体的な構成はなかなかよいかと。
・キャラによってシナリオ分量が大きく異なる点が目立った。
・修正パッチが2カ月経った今でもないが、誤字が多い。単純な漢字違いとかテキストと音声が異なるなど。
・なかなか気になったのが絢華。コンプ後に各個別を見ると違和感を感じないかもしれないが、
シルヴィルートである程度進めたあとの距離の詰め方がなんとも表現できない違和感を感じる。
印象の悪さが払拭できず、この後、どのような挽回があろうとも印象が覆せないような位置に落としてしまう表現が多々あったのが残念。
・共通から個別までの切り離し場所が、果たしてあそこで良かったのか?という疑問は残る。
未読だが内容面では既読(言い回しこそ違えど)というのが多く、退屈に感じる人が出てくる可能性はある。
・投良との過去については、ルートによっては重要でないものがある。
ルートによってあまりにもあっさりしすぎな和解シーンなどもあり、ツッコミを入れたくなる場面もチラホラ見受けられた。
・玲奈ルートにはがっかりした。ほぼ投良ルートと言っても過言ではない。ゲイじゃないんだから。
投良との経過を見せつけられる一方、肝心の玲奈は蚊帳の外。玲奈の話をもっと掘り下げてほしかった。
・また、玲奈ルートのロストバージンまでの流れは最悪。危険ドラッグで合体までもっていくのは、こういうゲームでは違うと思う。
・エルルートでは触手凌辱モノのゲームで勉強するという話が結構な比重を占めていたが、
それが発揮されるイベントは見受けられず。物事には原因と結果ってものがあるんですが・・・。
別に触手を望んでいるわけではない。いや、本ゲームではそういう表現は歓迎されないと思う。だからつまり・・・ね。
・桐生ならぬ栗生ルートは完全に人気出そうなサブキャラを昇格してファンディスク回避しましたー的な印象。
なんとなくオマケっぽいシナリオかなと思ってはいたが、そのままオマケのようなシナリオだった。
・上記のような面で問題はいくつかあったが、理亜がこのような形でラストを迎えるとは全く予想していなかったし、
理亜ルートを終えたあとに理亜との約束を果たすシルヴィTrueが用意されていたり、非常に感激したのも事実。
軸を踏み外すことなく、幼いころの約束と、キーワードになっている「ゴールデンタイム」の当てはめは実に見事だった。

・シナリオ分量はこれまでのサガと比べて同水準を確保できているように思う。他社比ではもちろん合格点以上。
・ボーカル曲は無難。
・BGMはメリハリがあり、非常によい。完成度も高い。
ただ、時々用いられたマリアの歌唱イメージの声がオバサンっぽくてなんか微妙だった。
・システム、機能面も充実。セーブ数がボタン一つで拡張できるのは面白い。
また、いつものようにクリア後の立ち絵遊びも豊富、ボイスお気に入り機能、ツイッター投稿機能もあり、申し分ない。

・演出も汗・溜息マークやフェード、海・雪の描写もしっかりしていて好印象。
・エロ度はそこそこ。ただ、ゴム装着や妊娠に関する懸念が多く、そこが微妙。
確かに、理亜との約束を考えれば筋が通っているゴム装着ではあるが、
そこはせめてシルヴィとの最後の分岐部分だけ考えればよくて、他キャラにまで派生させなくてもよかった。
現に玲奈ルートでは当該約束に反した結果になっている。
・あと、シルヴィとの初のシーンがバックで何も見えないってのはどうかと。
・エロ量は並か、2P等も考慮し、相応の評価とした。

【最後に一言】
最初は茜ちゃん怪しい人物と見て警戒してました。ごめんよ。