丁寧な描写、業界トップクラスの演出、そしてカオス。構成軸を理解・評価できるかが分かれ目。
得点内訳
【グラフィック】
・イベント 10/10
・立ち絵 5/5
・背景 5/5
【シナリオ】
・構成等 9/10
・分量 10/10
【音楽】
・ボーカル 10/10
・BGM 8/10
【システム】
・機能等 10/10
【演出】
・演出 10/10
【エロ】
・エロ度 9/10
・量 4/5
【裁量点】
・裁量加点 5/5
合計 95点
【感想箇条書き】
・神剣、転生、呪術、時代劇、学園もの、どこでもドア、銃撃、装甲・戦闘機、巨大岩クリーチャーなど、あらゆる要素を詰め込んだカオス。主軸は読んでいて飽きない。
・イベント絵はヒロインごとに見ると決して多くないが、後述の演出と膨大な背景を組み合わせることにより物足りなさをさほど感じない。
・立ち絵もかわいい。ヒロインの登場ごとに全身を映してくれるので、細かいところまでよく見ることができる。
・背景も美しい。かなり微細なところまで描き込まれている。
・本作はシナリオゲーとして評価するためグラフィック点数の配点(個人的な採点軸で統一している)が抑え気味だが、点数を倍増させてもいいほど、この作品の肝である。
・シナリオは、朱璃の話が大きな軸であり、ほかのヒロインは明らかに軸から反れるような扱いである。ここでの評価は分かれるだろう。
・朱璃以外の話の場合は、明らかにその後の描写がすっとばされる。最初、滸ルートに入ったが、そのときの拍子抜け感はすさまじい。
・「朱璃以外の話が雑」とばっさり切り捨てる意見も出てくると思うが、通常のゲームのように「朱璃を選んだ」ではなく、「朱璃以外を選んだらこうなった」という逆転の発想でとらえればさほど問題でない。
・そのため個人的には否定的な意見を持たない。主軸がはっきりしている以上、軸から反れたグダグダとした詳細描写には重きをおくべきでないし、むしろ要点を絞れるだけ絞った内容であるため、全体として振り返ると実に絶妙なまとめ具合だと思う。
・攻略後に開放される「余談」もボリュームがあり見応えがある。先祖たちと一堂に会する場面など、ほっこり要素もあり楽しめる。
・やっとこれで戦いは終わりか?と思わせてからの「転」が多く、読んでいて飽きないのもこのあたりから感じた。
・多様なキャラの視点から同じ時間を見ることで、全体把握も非常にしやすい。
・全体的なシナリオ分量も絶妙。多すぎず少なすぎない。
・作品柄、難しくて理解しがたい言葉の言い回しが多様されることを覚悟していたが、まったく問題にならなかった。むしろ非常に読みやすかった。伏線回収アシストも充実。
・BGMについてはズバ抜けていい曲はなかったが、うまく背景描写に溶け込めていると思う。
・システム機能として、タブレット端末に正式対応。ほかにも多数対応ゲームはあるが、独特の操作感があって面白い。
・キーのカスタムや正式にツイッターアップを認めた点、相変わらずのテーマファイルの用意など、うれしい限り。
・演出のすばらしさ。エフェクトやアニメーションなど、格段に過去作から向上している。こればかりは文章では伝わらない。
・エロは内容、数ともに優秀。睦美さん等のサブキャラは複数日の時間軸が与えられ、ある程度の個別枠が設けられたことも好印象。
【最後に一言】
おおみかみのきせきです!