物語後半の怒涛の展開は鳥肌もの。久しぶりにエロゲで泣きました。
普段はセール等で安くなった古い作品を主にプレイしていますが、
たまには評判の良い新しい作品もプレイしたいと思い購入してみました。
本作は主人公「風見司」が2020年から1920年にタイムスリップし、
様々な事件を「所長」と一緒に解決していくミステリー物。
大正時代の東京を舞台に、猫探しや怪盗、幽霊騒ぎといった事件を、
司の持つ未来の知識を使って解決していきます。
しかし、それらの事件の裏側で視点や常識を利用した伏線も散りばめられており、
それらが回収されていく後半の怒涛の展開は鳥肌ものでした。
まだプレイしていない人はぜひネタバレを避けて読んでほしいものです。
さて、本作で一番印象に残ったのは所長の存在。
本作はルート分岐がなく、クリアする度に次のヒロインの話になる一本道シナリオです。
最初の遠子、次の蓮あたりのお話はちょっとした事件を解決してセックス!って感じでしたが、
3人目のメリッサから物語の本質に迫っていき、最後の所長ですべて解決します。
そう、司が所長に依頼した「未来に帰してほしい」という問題まで解決してしまいます。
100年の時を超えた時点である程度は予想できていましたが、
成人が100年後の未来まで生きるというのはほぼ不可能であり、
未来に帰るという選択をした時点で、それはもう永遠の別れです。
泣きました。
桜の木の下で思い出話をするあたりから泣きっぱなしでした。
こういうのは分かっていても辛いものです。
ハッピーエンドで泣くのも好きですが、より心に残るのはこういった話でしょうね。
本作のジャンルは「100年の時を超えるミステリイADV」。
100年という気の遠くなる長い年月を超えて、司に届いた所長の想い。
素晴らしい物語をありがとうございました。