ギャグに特化した掛け合いが楽しい良作。笑える作品をプレイしたい方におすすめです。
[ストーリー]
主人公『瀬戸田拓真』は、念願の一人暮らしをするために幼いころ暮らしていた町に戻ってきた。
しかし、住もうと思っていた我が家は老朽化が進んでおり、ただの廃屋と成り果てていた。
代わりの家を探そうにも金がなく、困り果てていたところに差し伸べられたのは幼馴染たちの手。
そこから奇妙なかりぐらし生活が始まるのだった……。
といったストーリーのASa Project 10周年記念タイトルです。
私がASa Project作品をプレイするのは本作が初めてなのですが、
変顔とギャグがすごいメーカー、というのは聞き及んでいたので、
それを期待しつつプレイしたところ、見事期待に応えてくれました。
本作でまず語りたいのはギャグの比率。
シリアス?何それ?な勢いで繰り広げられるギャグのオンパレードは、
日常シーンはおろかHシーンにまで侵食し、笑えば良いのか抜けば良いのかわからなくなる始末。
幼馴染ならではの遠慮のない掛け合いに個性豊かな家族までも加わり、
そのあまりにひどい会話に何度腹を抱えたことか。
割合で言えばギャグ8割、エッチ2割、そこに間違えて感動を1滴垂らしたようなお話で、
プレイ後に思い返してみれば、笑って笑って笑って抜いた記憶しか残っていませんでした。
あと、上記でも軽く触れましたが、本作で特徴的なのが『家族』の存在。
エロゲの家族といえば不自然に亡くなっていたり、海外に転勤していたり、
または存在していても立ち絵すら用意してもらえない不遇な存在だったりします。
しかし、本作はヒロインの家を渡り歩いて生活するお話なので、
必然的にその家に住むヒロインの家族とも関わりを持っていきます。
それもヒロインのおまけ程度ではなく、記憶に残る程度には絡んできます。
例えば、エロゲではよくあるお風呂への乱入やオナニー目撃のシーン。
本作も共通パートの時点で、ヒロインの杏、ひより、絢花の家において、
上記のようなシーンが用意されています。
初めに、杏の『父親』がお風呂に入ってきます。
つぎに、ひよりの『母親』がお風呂に入ってきます。
最後に、絢花の『弟』のオナニーシーンを目撃します。
誰 得 だ よ っ !!
ヒロインの裸を見る前にヒロインの親と弟の裸を見る羽目になるとは思いもしませんでした。
まぁ、エロゲでここまで家族が自己主張するゲームは珍しいので、その点は新鮮で楽しめました。
[キャラクター]
・杏(荒波ファミリー)
幼馴染たちのお姉さん的存在で、両親と三人暮らし。
母親に似てだらしない性格で、料理・家事スキルは壊滅レベル。
個別ルートでは、両親の策略によって杏の世話係もとい恋人になりますが、
杏は養われる気満々で、積極的に子作りセックスをしてくるのはなかなかエロかったです。
こういう性格のキャラクターは付き合っていく上で少しずつ改善していくものですが、
杏はエンディング後に描かれる数年後の世界でも自堕落な性格の模様。
ただ、しっかりしてしまったら杏らしくないので、これはこれで良い結末なのかも知れません。
・ひより(新妻ファミリー)
母と二人で喫茶店を営む金髪癖っ毛のおバカヒロイン。
幼馴染の中でも特に壁を感じないサバサバとした性格で、
拓真との掛け合いはまるで長年寄り添ってきた間柄のようで心地よかったです。
まぁ、あまりにバカすぎてHシーンがひどいことになっているのですが、
その点についてはHシーンの欄で触れたいと思います。
そして、もう一人語りたいのはひよりの母親である『みより』。
どのヒロインよりもテンションが高く、ヒロインでもないのに拓真のことを性的に狙っています。
家に訪問するたびにキスしようとしたり、気づけば裸になっていたりと無茶苦茶な存在です。
しかし、そんな性格には理由があって、それが語られるのは個別ルート終盤。
若くして夫を亡くし、残された喫茶店と娘を女手一つで守ってきたみより。
おそらく様々な苦労を乗り越えてきただろう日々は本作では描かれませんが、
一人家にいるときに、家族が映った写真を見て「寂しい」と独白するシーンは少し涙腺に来ました。
・絢花(世計ファミリー)
成績優秀だがむっつりスケベな妹的存在で、両親と妹、弟の五人暮らし。
絢花自身、ロリ巨乳、メガネ、むっつりスケベといったなかなかの属性持ちですが、
正直なところ家族の印象が強すぎて絢花の魅力が薄れてしまっている気がします。
父親の龍之介は娘が好きすぎて拓真のことを殺すぐらいに憎んでいるし、
母親の茉莉花は潔癖症すぎて消臭スプレーを顔面にかけてくるし、
妹の丸はヤンデレシスコンで唾を吐きかけるほどに拓真を嫌っているし、
弟の弾は三度の飯より三度のオナニーを優先するようなオナ猿だし。
こんな家族に囲まれていると満足に恋愛も出来ず、
個別ルートでは付き合っていることを家族にも幼馴染たちにも隠します。
恋人関係を隠すこと自体は理由があるので納得はできるのですが、
他の個別ルートでは付き合っていることをすぐに明かすので、
それと比べると誠意が足りないというか、あまり気持ちの良い展開ではなかったです。
・理兎(桜木橋ファミリー)
両親が海外にいるため、ヒロインの中では唯一の一人暮らし。
拓真が理兎のことを男と勘違いしていたため、最初は険悪な仲となりますが、
風邪を看病してからは、やたらと手を繋ぎたがる甘えっ子になるのは可愛かったです。
個別ルートでは、他のルートより拓真が性に積極的。
というのも理兎だけは『家族』というストッパーがいないので、
ヤりたいと思ったときにヤれてしまうのです。
こういう点で家族という存在を利用するのはなかなか上手いと思いました。
あと、最後に部屋を仕切っていたカーテンがアレになる演出も好みです。
[Hシーン]
理兎とひよりが5、杏と絢花が6、丸と奈々子が3で計28シーン。
若干モザイクが大きめなのが欠点ですが、絵柄はエロ可愛くボリュームも十分。
キャラと絵柄が好みなら、一般的な萌えゲーレベルの実用性はあると思います。
さて、Hシーンで特に語りたいのはひよりと丸の二人。
まず、ひよりのHシーンですが本当に(良い意味で)ひどい。
彼女は二回目のHシーンで処女を喪失するわけですが、破瓜の瞬間に彼女は、
「ぎょえええええええええええええええ~~~~~~~っ!?」
と叫びます。
これには息子も萎えぽよです。
破瓜を痛がる演出は数あれど、変顔でぎょえーと叫ぶヒロインはひよりが初めてです。
それ以外にも彼女のHシーンはどこかコントじみてて、
気付けばニヤニヤ笑いながら息子を弄る変質者になっていました。
親フラでもしようものなら人生が終わりますので、実家暮らしの方はご注意ください。
次に絢花の妹である丸のHシーン。
丸の個別ルートは絢花の個別ルートに入った後に分岐する特殊パターンで、
絢花と付き合い始めた後に、大好きな姉様を汚されないように、と拓真を襲ってきます。
最初は丸の部屋で椅子に拘束した状態で足コキ。
次は学校の倉庫で拘束して騎乗位で強制中出し。
最後は絢花の部屋のクローゼットに忍び込んで、絢花がオナニーしている横でセックス。
初対面で唾を吐きかけてくるドSっぷりに恥じないプレイ内容には息子も大興奮。
最後には拓真に夢中になっているところも可愛く、メインヒロインに負けず劣らず好きになってしまいました。
[総評]
とにかく掛け合いが楽しい笑って抜ける良作です。
絵柄も安定して可愛く、変顔も不快になるほど変なわけでもないので、
笑える作品をプレイしたい方は気軽に手に取ってみても損はないと思います。