女装モノの名作。18禁シーンに拘りがなければVita版もあり。
女装モノとして有名な作品のVita移植版です。PC版の購入を検討していたところ、Vita版がセールで安くなっていたので購入してみました。
【PC版との違い】
主な違いはVita版オリジナルの新シナリオ・新ビジュアルの追加、および18禁シーンの削除です。PC版未プレイのため、追加・削除されたシナリオはどこなのかわかりませんでしたが、特に違和感は感じませんでした。18禁シーンの有無に拘りがなければ、Hな気分にならずに物語に集中できるのでVita版もありだと思います。あと、時報や目覚ましとなるクロック機能もありますが、Vitaを時計代わりにするつもりはないので無評価です。
【シナリオ】
冒頭の遺書に書かれた「ああ楽しかった!」から一気に惹き込まれ、そのまま最後まで読ませるシナリオの構成力は見事。特にルナとユーシェのシナリオがお気に入りです。
ルナは朝日との主従関係が素晴らしいです。ただお互いを信頼するだけでなく、必要であれば指摘も叱責もし、それでも最後はそばにいることを選択する。そこに主従も性別も超えた愛情を感じました。また、この√では衣遠も悪役として輝いており、学園長室でのやり取りに絶望させられ、その後の逆転劇にはすっきりさせられ、非常に良い読了感でした。ルナ√を最初にプレイしたため、後の瑞穂√や湊√では衣遠の出番が少なく、物足りなさを感じるほどでした。
ユーシェ√は少年漫画のような面白さがありました。味方ではあんなに頼もしかったルナが、敵になると畏怖の念を抱くほどの存在となり、ユーシェ同様絶望に打ちひしがれました。それでも朝日に励まされ、何度も立ち上がってルナに挑むさまはまるで少年漫画の主人公のようで心が熱くなりました。あと、付き合い始めた後、ユーシェがキスをねだる甘えっ子になるのが可愛かったです。
上記二人に比べると瑞穂√や湊√は展開が雑だったり陰湿だったりと楽しさを感じる時間が少なかったのですが、その分ルナとユーシェのシナリオが面白かったので90点といったところです。
【総評】
ああ楽しかった!