全三章に渡る壮大なドロドロドラマ。とにかく長いのに止め時がない、睡眠時間に注意な名作です。
文句の付け所はあるにしても、それを補って余りあるシナリオの秀逸さ、ここまで熱中させられたら満点以外は失礼です。
サブヒロインのシナリオからして物凄い練りこまれていて、二周前提のサブヒロインって懲りすぎです。
全てのサブヒロインのシナリオが細かく描かれていて、サブという表現が似つかわしくありません。
icには出ていないはずのサブヒロインまで、きちんと前作で伏線が張られているなんて…。
そして、ただのラジオ放送やらただ大学内のいち風景が伏線とは…。
そして二周目の複数視点によって解る真実の数々…。
が、メインの二人をいざやってみると、ああやっぱサブなのかと納得してしまうほど、予想の遥か上を行くストーリーでした。
一番ヤラレタと感じたのは、未だもう一人のヒロインとの再会が無いままとはいえ、紆余曲折を経てやっと、やっと気持ちが通じ合い晴れてエンディング、あーこれで次はやっともう一人のヒロインのルートかな?…?…?「何だってーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」という驚愕の展開。
鳥肌は立つやらなにやらで、もう苦笑いをするしかないくらいやられました。
これは過去に三角関係を描いた最高傑作と思われる「君のぞ」でも言える事なのですが、プレーヤーの心の操り方が秀逸なんですよね。
最初は片方のヒロインの方が好印象で、そっち狙いのつもりで居るんだけど、なんかだんだんもう一人のヒロインに情が移ってきて一生懸命になってきて、こっちのヒロインのエンディングでも良いかな…と思わせたところでドーンです。
しかも、しょっぱなから、馬鹿な主人公は気付かないけどこれ絶対追いかけて…。
最終章でも、二周目の複数視点の使い方など、もう本当に言葉もありません。
エンディングに関しては、もっとこうだったら、とかいう気持ちは色々あるんですが、それは欲というもの。
どちらのヒロインルートも、とても良い終わり方だったと思います。
間違いなく歴史に残る名作でした。