究極の夏ゲーであり、雰囲気モノの頂点。すべての夏は「AIR」に通じていた
ずっと知ってはいたが、まさかここまでとは思わなかった。
智代アフターのような強烈なメッセージ性もないし、クラナドほどの奇跡は起きない
サマポケほどの楽しい夏休み、という感じではもない
けれど、AIRには究極のゴールがあった。
きちんと空にいる少女がきちんとそれぞれのヒロインの個別ルートに登場していたため
作業感もそんなになかったこともポイント高い。
孤独だった観鈴の為に、住人が、晴子が、バトンを渡していく。
住人は「そら」となってまで観鈴に勇気を与えた。
晴子は色々な遠回りをしたが、本当の母になった。
そうした全ての優しさや愛情から生み出される幸福なバトンが、観鈴に渡されていく・
そして観鈴が幸福になることによって、1000年続く因縁でもある神奈が救われる。
最後に彼女がそのバトンをもって「ゴール」する姿は、全エロゲを比較しても最高のエンディングだと思う。
これまでの神奈の分身たちは、幸福な記憶を得ることが出来ず、夏を超えることすら出来なかったのだから。
そしてあまりにも難解なラストシーンが与える、充足感とわずかな喪失
そのわずかな喪失こそが、このゲームを究極の夏ゲーたらしめていると思う。