純愛とホラーの結晶
純愛という観点において、本作品は他の追随を許さない。主人公もヒロインも互いしか興味がなく、それは世界においても例外ではない。狂気的なストーリーであるが、それは沙耶が主人公を思った行動が主であり、最初の設定さえ受け入れられれば、納得できないレベルではない。私が最も衝撃を受けたのはやはり開花エンドであり、あんな発想は常人にはできない。そんな衝撃的な展開とストーリーであるため、このゲームが与える影響というものは、私の中でもかなり大きいものであった。
また、ストーリーもそうだが雰囲気もかなり怖い。沙耶が全く未知の存在であるため、行動の一つ一つに恐怖を感じる。その行動の意味もやがてわかってくるが、それがわかった時もやはり恐怖なのだ。
おもしろく、多くの人にプレイしてもらいたい作品ではあるが、万人にはおすすめできない。グロシーンや常識とかけ離れた展開が多く、また主人公や沙耶に感情移入しすぎると、精神的に参ってしまうからだ。
プレイ時間はかなり短かった。私も最初はつらいものがあったが、最後はこの物語がすぐに終わってしまうことの悲しさを感じていた。10時間足らずというプレイ時間は、この世界を味わいきるには少し短いようにも感じる。
総評としては、短いプレイ時間と衝撃的なストーリーによりかなり濃いゲームとなっている。恐怖感が強く、プレイに注意が必要だがそれ以上によくまとまっており、狂気的であって面白いゲームである。