「1」「2」を遥かに凌ぐクオリティ、最高の青春ゲー。登場キャラ全員で作り上げた鐘ノ音学園での学園生活には、沢山笑い、沢山泣かされました。
当方は青春時代を描いたようなエロゲ、メイン・サブ問わず全員のキャラそれぞれに役割があり、そして賑やかで楽しいエロゲが好きなのですが、このシリーズはまさに好みにマッチしていました。
シリーズを通してサブキャラ、特に主人公の男友達が輝いていて、祐介が主人公の時はバッチグー、一番星、天神の3人、豊が主人公の時はヘルス、堤、ホセ、モっさんの4人が中心になり、学園生活を盛り立ててくれました。今作「3」では、これまでのキャラがほとんど登場してまさにお祭りのような学園生活となりますが、祐介たち最上級生の卒業編ということもあり、バッチグー、一番星、天神の3人が一際光りました。
特に双葉ルートの一番星がカッコよすぎです。一番星はバカでもあり常識人でもあり、その器用さがかえって、3人の中で最もキャラが弱い面に感じていたのですが、今作においてはサブキャラのMVPは彼だと思ってます。キャラの立ち位置的に、つよきす(きゃんでぃそふと)のスバルを思い出します。
その双葉ルートは最高の出来だったと思います。
当方は花月→葉月→ちとせ→舞→双葉、の順番でやったのですが、一番最後にプレイして正解だったと思います。
天神姉妹のルートは良いところもあったのですが微妙に感じるところもあり、致命的なのは双葉との別れた描写がない点で整合性がとれていないところがマイナスに感じました。
ちとせルートは、双葉ルートから派生するのがギリギリでしたので、おそらく双葉ルートと同じライターが書いていると思いますが、内容としては「2」に引き続き、千歳みどりを救済するようなシナリオだったと感じます。
舞ルートは2番目に好きでした。主人公と対照的な、元々目指すべきものがある再起型のようなストーリーは良かったと思います。ラストの卒業式後に海で遊ぶシーンに、まだまだ皆でバカ騒ぎしたいというみんなの気持ちが伝わってきて切なさを感じました。超能力のある花月や目標に向けて羽休め中の舞など、様々な人間を受け容れる鐘ノ音学園という舞台が好きだなあと改めて実感しました。
そして双葉ルートはそれら他ヒロイン、あるいは「1」「2」のあらゆるシナリオを超えてくるようなクオリティだったと感じます。恋愛、友情、家族、将来…多くの要素が詰め込まれていて、青春の光の部分、影の部分すべてを描き切ったような内容だったと思います。
シリーズ3作をプレイしてみて、千歳みどりは「グリーングリーン」という物語のセンターヒロイン、朽木双葉は鐘ノ音学園での学園生活のセンターヒロイン、という印象を受けました。
ちなみに全体を通してひとつ不満な点は、校門から飛び出すCGや祐介と双葉の結婚式のCGで一番星が描かれてない点でしょうか・・・。描かれていないのが残念でなりません、一番星がいないのは寂しい。
好きなシーンについては本当に多すぎて語り尽くせません。
台風の中4人でステージを守ったところ、舞と一番星のステージを皆で見届けるところ、舞から送られてきた英語の手紙をみんなで徹夜で解読したところ、花月に鐘ノ音学園の思い出を祐介が語るところ、轟先生が泣きながら卒業式でスピーチしたところ、春名が祐介に檄を飛ばすところ、一番星が祐介をぶん殴るところ、双葉と桜子が一緒に料理するところ…
挙げたらきりがありません。それこそ、何気ないささいな日常シーンも愛おしいと振り返ります。
そんな最低で最高な学園生活に出会えて、本当に良かったと思います。