幼馴染を主題としたキャラゲー。キャラの可愛さはもちろん、幼馴染の絆が感じられるストーリーが良かった。
ファンタジー要素があったシナリオだったが、幼馴染6人の雰囲気が良かったな、という印象をプレイ後に受けた。グループ系の話は、どちらかというとそのグループメンバー同士で依存し合うような閉鎖的な関係性が描かれることが多いと個人的に思っているが、本作の6人は、相手に対して過度に踏み込み過ぎず、かつ突き放し過ぎず、適度な距離感が描かれていたように思う。
個人的に好きなのが翼ルート。付き合い始めた翼との会話の中で、
「みんないつも通りだなって
私たちがつきあったりしたら、どこかが壊れちゃう気がしてた
大好きなみんなのままだった」
という翼のセリフがあるが、これが作中で一番のお気に入り。幼馴染グループの中で小さいころからずっと主人公ラブのヒロインということからマジ恋の京が思い浮かぶが、こちらは上述したような閉鎖的な関係性を前面に出したようなシリアスな話だった。一方、翼は主人公と一緒にいることも好きであり、6人みんなでいることも好き、と考えている。また、主人公も翼と近づきすぎたために6人の輪がバラバラになるんじゃないかという不安も抱えていた。このように、2人だけの世界に浸るだけでなく、いつだって皆との繋がりを大切にしていた様子が感じられた翼ルートが最も好きだった。
命ルートで命が描いた絵が見れなかったことや、TrueのラストシーンのCGがどうしてそれぞれ別々に描く必要があったのかと思うことなど、全体としてもう一声欲しかったと惜しい点はいくつかあったものの、キャラ萌えと絆を感じるシナリオが上手い具合にマッチした、楽しめた一本だった。