声オタは満足するとは思うが、全体的に一歩足りない。名作の成りそこねという評価がふさわしいと思う。
新規立ち絵がヒドイ。
前作でもそうだったが後頭部が肥大化している。制作陣もそのことを認識しているようで、カットインでは後頭部を映さないようにして違和感が少なくなるように配慮している。しかし、普通に立ち絵で登場するとキツイ。
CGの出来は良い。それだけに立ち絵の酷さが際立つ。
ストーリーに関しては個別GOOD、個別BAD、Trueの順に進んでいく
個別GOODに関しては澤田なつさんの甘い声が素晴らしい。年末の発売の某喫茶店での演技よりさらに甘い声が聞こえる。ヒロインとの日常イベントも楽しいし思わず笑いが溢れる。文句なく他人におすすめできる。
個別BADに関しては、描写がただただ粗い。ヒロインたちの殺害の描写が少なすぎて物足りなさを感じる。ここは詳細に描写してプレイヤーの心を折りに来てほしかった。死の描写があっさりしているので主人公が何故こんなにも心折れているのか共感ができない。
例えば、過去に立ち戻った後、会えるはずの場所でヒロイン達に会えないため、主人公は死んだことを察し、メンタルにダメージを負う場面がある。主人公は数時間ヒロインを探したのかもしれないが、プレイヤー達にとってはたかが数分の捜索である。全く焦燥感が沸かない。せっかくのR18なのだから、主人公への感情移入を促すため、生首や指の一部などグロテスクな描写でプレイヤーの心を折りに来てほしかった。
また、主人公の試行回数も少なすぎた。行く先々で敵に先手を取られ、ヒロインを亡き者にされる。この展開は熱い。しかし主人公の捜索試行回数は3回である。諦めが早すぎる。せめて二桁は捜索してほしいところである。
Trueに関しては良かった。散りばめられた伏線を回収し、逆転する。熱い展開である。他人におすすめできる。
BGMは際立って良いわけではないが、ストーリーの雰囲気を崩さない。普通に良い。
声オタは満足するとは思うが、全体的に一歩足りない。名作の成りそこねという評価がふさわしいと思う。