プロミアとは方向性が違うが、それでも作りの出来は遠く及ばない。方向性が違うという言葉だけでは済まない何かを感じる。
CG93、回想13。原画と塗りはやはり綺麗。エロは純愛学園ものとしては相応。
ストーリーにおいて省けない出来事の描写量が非常に多く、展開される内容が過密ともいえたプロミアに比べて、今作は薄いとまではいわないが平坦。普通の学園恋愛に各キャラの背景設定と定番のSF要素を混ぜて消化していったら、道なりに話が終わっていたという感。
付け加えれば、メインのヒメリアルートが余りにも性急に終わったのが厳しい。エロ、もしくは章終から事前ストーリーを省略したかのように急展開が始まり、場面場面のあらましをなぞっている内に終わってしまった。
どのルートも全体的に、いかに主人公に対して好意を持っているかという恋愛要素に文量を割きすぎ、駆け足気味になったストーリーイベントが割を食っていたように思う。
主人公には正直いって好感を持てない。何かわけがあるでもなく、どんな時でも常におちゃらけた冗談に走るタイプ。セッ○ス中にもうお婿にいけないとかなんとか、ずっと口走ってるような。万事そんな態度なので、いざ気持ちや事実を伝えるような真剣な場面になっても、何を語ろうと真面目に映らず軽薄。そして悪いことにそんな場面でも軽口は止まない。
口だけで全く行動しないわけではないが、その手段にもやはりいちいちおふざけの要素が入る。前作のコダマが力はあるがキャラ個性を殺していた例と比べて悪い意味で真逆。
と思ったが初回にやった小春ルートが酷すぎただけで、他ルートは普通というか並。忌避感さえあった初回だったが、他3ルートを進めるに従ってそれは払拭された。それでも、ヒロインの支えという仕事以外にとりわけ役割があるわけでもないので、取り立てて魅力を感じることはなかった。
触れたものの内面を読み取るような力については説明されなかったので気になったが。
どんなゲームにもいい点と悪い点があるものだが、プレイ途中でも終わらせた今も、よかったと思えた点が正直絵と塗りくらいしかない。絵はいいつまり普通の萌えゲ、とセブンワンダーに思ってしまったのが残念。
プレイ時間は、小春ルート(初回)10時間、夕輝ルート2時間55分、聖ルート3時間30分、ヒメリアルート3時間。計19時間25分。
BGVなし、BGエロSEなし、尻モザあり、淫語1文字P音修正あり(幅長め)。
CG15/15 エロ9/15 シナリオ7/15 テキスト8/15 音楽6/10 システム5/10 演出5/10 価格7/10(全員当選バナーキャンペーン+1)