シナリオはペラい部分がありながらも淡々と進んでいく。絵はそこそこ。
これは思い出して空笑してしまうようなそれではない。厨二病というのは面倒なもんで、強い人には必要のないものだろう。少なくとも奏以外にはその必然性をあんまり感じない。厨二病というのは見てて痛々しいし、書く方にしたって書いてても痛々しいだけだとしたら、これはこれで良かったのかもしれない。そういう意味では企画が間違っていたということにはなる。
文章の特徴とか覚えてないしそもそも分からんからどうでも良いんだけど、奏シナリオがネこグリを踏まえている。保桜さん担当だったんだろうけど、これは曲がりなりにもイケてる。でもネこグリみたいなカルト性は感じない。
洵シナリオはあまりにも手抜きに見える。別に18歳以上という建前をマジにするつもりはさらさら無いけど、常識的な範囲の年齢なら引越し先のことくらいは理解できるはず。すれ違いの材料を作れなかったのは分かるけど明らかに粗雑。なんだこれは。他者に対する想像性を欠いていると思う。
瑠璃ちゃんが攻略できないのに夏希が攻略できるパッチというのもどうなのだと最初は思った。しかし、この夏希というヒロインは意外と良くて、小夏シナリオでは荒太の元へと走って夜遊びを繰り返すなど優等生的脆さを持ったヒロインの「チョロさ」みたいなのがたまらんのである。荒太に最後は捨てられてしまうところまでいって完成するヒロインなのだな。その辺が攻略シナリオに入ると全部すっ飛んでしまうからつまらない。そういうエロさがないのが、こういう現代的な萌えゲーが飽きられている原因だろうか。どうしたって炎上上等になるし今の時代は難しいけどネ。
絵は公式見た通りだろう。変顔だのなんだのはあるけど面白いかと言われればそうでもないんじゃないかな。