卑猥な言語をひたすら反復するシュルレアリスムみたいなゲーム
特にネタバレのしようがないようなネタのゲーム。ここんとこの嘘屋センセといえば言葉遊びに興じているようで、その試みはそれなりに成功しているんではないかと思う。
スタジオカメでの仕事は実質的に4作目になるはずなんだけれども、だんだんと薄っぺらくなっていくアラスジは起承転結の体さえ成していると思えない。ロープライスだからそんなもんではある。どちらにせよ超大作だか長大作だか長いだけに比べればそのことは幾分はマシだとは思う。だいたい時間の無駄だけは勘弁してほしい現代人には有り難い仕様。システムはともかくとしても。
この猥語ばっかり突っ込んだようなシナリオは単なる不謹慎でそれ自体が別に面白いわけではなんだけれども、結局のところ10年以上のキャリアを持ったセンセが好きなことやっていいと言われたので、本当にやってみたら昔なつかしの地雷ゲーの体裁でとんでもないモノを持ち込んだような感がある。こういうゲームが8800円だったら昔なつかしの地雷ゲーなのだが(それにしてはまとまりすぎているが)
エロゲー人生それなりに短いもんではないと思うんだけど、自称マグロをネタにツンデレなんだかクーデレなんだかそっち方面へ走っていく女というのは今までに見たことがない。ともかく淫語を連続させていくのは、よくもまあネタがキレてんだかキレてないんだかよく分からん。レイモン・クノーの文体練習という本があったか、びっちんちょから継続して読んでいくと、なんというか同じ事をひたすら繰り返していくような徒労感なのに実際には違うテキストを読まされているという修行みたいなゲームであり、スキップなど使用を考えてはならないのだ。読むこと自体に意味がある、なんとも不思議なゲームだと思う。
ところでクソみたいなシステムはどうにかならんのかと思うが、所詮はロープライスの本作にはこの安っぽいシステムがお似合いでしょう。