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resolvedさんの竜翼のメロディア -Diva with the blessed dragonol-の長文感想

ユーザー
resolved
ゲーム
竜翼のメロディア -Diva with the blessed dragonol-
ブランド
Whirlpool
得点
63
参照数
1142

一言コメント

やっぱり榊原ゆいにゃんは最高なのだ

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

話はありきたりながら、つまらなくはない。でも演出で全部ぶっ壊されるんじゃ意味がない。

ストーリーにもトゥルーに突入するまでイライラさせられるところはある。伏線は大量に作っても消化するポイントが「主人公が当該ドラグノールでした」という一点に集中してしまうんだから、誰にだって主人公がドラグノールであることが想像できる。「ああ、これ別のドラグノールと契約したんだな」とか「このドラグノールが主人公ってわけだな」とか、すぐにみんな思いついちゃうじゃないですか。トゥルーやる意味あんのかと。そもそもトゥルーに否定的な自分でなくとも、トゥルーやらずに済ませる技術ないし時間ないし予算がないだけなんじゃねえのって、これは思ってしまうんじゃないの。ただし、プレイヤーを萌え殺すための声優起用とそれに併せた表現は素晴らしいものがあると思う。嫌味でもなんでもなく確かに豚どもはこれでコロっと萌え転がるだろう。あーはいはいすいませんね、私も豚で悪うござんした。

セルフィのラストはいくらなんでもひどいと思う。これがひどくないと思わないのはどうかしている。話1つで人間わかりあうことができるのならば、それほど苦労しないもんである。いくらなんでもシルフィも含めてチョロ過ぎる。人間こんなチョロくて良いのか。誰かを殺すのってそんなに簡単なのか。親の仇の地位も脅迫の意味もあまりにも軽すぎるでしょう。バルディスもあの段階で何も隠す必要ないんだから、指摘されて悔しがってる意味が分からない。自分のやっていたことも分からないのだろうか。精神的に多大な問題があると思う。

カクテル光線が発明されダイナマイト(じゃないのか知らんが)が工事現場で普段に使える程度に火薬技術が高い段階であるにも関わらず、未だに兵隊はプレートアーマー装備したメイスですって言われても困る。そもそもアーティファクトの乱用によって、そもそも住民の生活レベルが全く理解不能な段階に突入した。乱雑に作られているのだ。シンクレティズムは誰もが知るファシズムの手法だろう。ご都合主義の世界観というのは世界観に批判的な思考そのものを葬り去ろうとするファッショ回帰の運動そのものである!(あーもう滅茶苦茶だよ)

フローリア・メルのルートを中心として、トゥルーもそうなんだけど1人で素晴らしいバックバンドをバリバリ展開していく演出はいくらなんでも感心しないわけだよ。公式サイトや体験版を見ればやれば分かることについて文句付けんのあんま好きじゃないんで言いたかないけど、いっちばん良いシーンを全部これでぶっ壊してるようにしか思えない。誰がプレイしたって、この不満は不満として残ってしまうだろう。そういう風に曲作れないんだから仕方ないのは分かった。だったら無理してやらなくて良いから(良心)

榊原ゆいにゃんが良いから、これが良いんじゃないかといえば良いんだろうけども、やっぱり事後には後悔がないわけではない。ゆいにゃんの曲はこういう風に今作のシナリオの中に組み込んで使うような代物ではない。それは上手い下手の問題ではないことは当然である。

やっぱゆいにゃんは最高だよ。使いどころ間違えなきゃな。