これはE×Eですか
いいえ、違います。
一般的にエロゲーのCGのレベルは年々上がってきているから、ゆずソフトのCGは最高レベルとはいえ突出しているとまでは言えなくなってきた中で、いくらなんでもこのシナリオは少しひどいのではないかと思う。時間軸で並べれば相対的にはE×Eよりもひどいとは言えると思う。全てがつまらないのだが特に―――
シナリオが完全に破綻しているというか、シリアスですら無い場所で主人公の正体(ライカンスロープであること、後天性であること)をめぐる疑惑を自己暴露しているのではないかと思われる部分が各所に見えるのだけれども(それについて知らないはずの人物がそこにいるぞ!)、これは内緒話であったはずが誰に対して喋ってんのか全然分からんようになっているのかもしれないと思うことにしよう。ともかくそういう演出の粗雑さはどうにもこうにもなっていないし止めていただきたい。
その上、声もエリナと梓は良いと思ったけれども、その他のヒロインはなんだか聞き飽きたというわけでもなくひどい気がするのだ。夏野こおり嬢の場合は声を聞き飽きているだけなのかもしれないが、今回は棒読み感がひどいというか、やっぱり地のテキストがひどいから演技もこうなったのかは知らないが。
正樹のキャラクター性についても買う前から認識していたから、あんまこういうこと言いたかないのだが、やっぱりこれは単に不快でしかなく(ホモが不快なのではない。このステロタイプが極端に不愉快なのだ)これはソフ倫だかメディ倫だかの方々が同性愛者に対する攻撃性を煽っているとでもキッチリ指導しておいた方がいいのではないだろうか。別に児ポ法云々がどうとか自主規制がどうとかいう話ではなく、このクッソつまらん寒いだけのステロタイプ化された同性愛と腐女子に対する眼差しに飽き飽きしている。
誰もが口を揃えるシリアスの稚拙性にについては、オージービーフの赤身と脂身くらいバッチリ分けられたからシリアスが低質化したのであって、これを全面化すればマシになるという仮説を立てましょう。のーぶる☆わーくすにおける全面化はシリアスの箱に全体を載せて表面上はイチャラブゲーに仕立て上げたから達成され得たクオリティなんじゃないだろうか(特に静流の後半)だって言い回しがヘタなんだもん、そうするしかない。
ともかく、多分これと同じ路線で割合をいくら変更しても……やっぱりE×Eでした。