ErogameScape -エロゲー批評空間-

rei99さんのChuSingura46+1 -忠臣蔵46+1-の長文感想

ユーザー
rei99
ゲーム
ChuSingura46+1 -忠臣蔵46+1-
ブランド
インレ
得点
90
参照数
859

一言コメント

前半に比べると後半以降おもしろさがさがっていったし、不満点もあるが、それを考慮してもよいできの作品だった

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

忠臣蔵に関しての知識は、
内蔵助他、47人が主君の仇討ちに上野介の屋敷に討ち入った
っていう程度。つまりほぼなにもしらない状態でした。

世の中一般的にみてもやはり、三国志とか戦国時代の話に比べると
そこまで登場人物の名前やエピソードを多くしってる人もいないのではないでしょうかね?

あえて、そこに着目してるってのがまずおもしろかったなと。

登場人物もそれぞれに魅力が感じられてよかったです。
主人公はやや微妙。章によっては結構イライラするところもありましたが。

ストーリー的には、1・2章はこれといった不満なくおもしろかったのですが
3章からちらほら不満点は感じました。

3章に関しては、ループものでヒロインがきりかわっていって、立場がかわってしまっているので
しょうがないか。とはおもいつつ、主人公のなかで内蔵助がすっかりたいして気にならない存在になってたのが
どーも個人的にきにくわなかったですかね。
他にも、このへんから主人公がループで精神すり減らしてるのはわかるもののなんかヘタレっぽくなってきてて
イライラすることも。
とはいえ、主人公になついてる主税は案外かわいくて気に入ったのですけどね。

4章は・・・いらないといえばいらないんじゃ?ってきもする章だった。
今まで、赤穂浪士を美化するほうこうでつきすすんできていたところを違う視点をもたせた。
という変化は一概に悪いとはおもわないのですが。
ただ、普通に考えて、この手の戦だの仇討ちだのという事象は、
一側面からみたら美談であっても、反対側からみれば暴虐だなんてことわかりきってますし。
戦いがからまない事柄でも世の中にはそういうのはいくらでもありますしね。
改めて語られたところで。
うん。そうだね。
ってなるだけのような。
内匠頭が乱心でなく喧嘩といいはったことにしたってね。
指摘されるまでもなく、最初にその話が描かれてるのみてた時点で
乱心にしときゃいいのに、個人の意地をとおして家臣をないがしろにする主君だな。
とは感じましたしね。
あと、一学の恨みも・・・生い立ちが細かく描かれてないせいもあるのでしょうが
赤穂浪士を目の敵にする動機が弱く感じた。

5章は、最期にもってくるヒロインが右衛門七かよ・・・ってのが・・・
おそらくあまり有名ではない忠臣蔵という題材で最初にひきこもうとおもえば内蔵助を
まっさきにヒロインにもっていったのはしょうがないのかともおもうけど。
内蔵助を2度目のヒロインにもってくるのも難しいかもしれないが。
それでもやっぱりねぇ・・・
事実最期の戦いでは結局、内蔵助のほうが目立っていて右衛門七の存在やや薄れてたし。
最期のシーンとか普通に取り合いですしね。
右衛門七がヒロインだったのかすらあやしくなってくる。
あと、あのラスボスはどうなのだろう?
謎めいた話にもっていったところはおもしろくなる要素だったけど。
なんか突然ぽっとでてきて、しかも今までの話上一切絡んでない初出キャラみたいな状態のを
ぽーんとだしてこられてもねぇ?
そして、この人についても、一学と同じで理由語られたところで
あっさり語りすぎてて、そんなことで執念をもやしてるの?ってかんじになってしまう。
もっと話に絡んできてたキャラをもってきてくれると
こいつが黒幕だったのかー!!っていう驚きももてたんでしょうけどね。
そのへんやはり残念だった。

っとまぁ、不満点中心でかいて、つけてる得点と反する感想になってしまいましたが。
全体としてみるとキャラもよかったし話もおもしろかったし。
現時点では今年一番。
今年はまだ半分以上のこってはいるけど、年内にこれをこえる満足度をあたえてくれる作品はでないのでは?
とおもわせてくれる作品でした。