……えっ? あれっ? これってロミオ作品だよね? このサイト内の全体的な点数の低さは……なぜに?
絵柄が超好み、声優陣が個人的にめっちゃつぼ、おまけにシナリオが田中ロミオ氏。これをやらずに何をやるっ!!
いまでも克明に思い出すは2006年9月29日の日。初回版を購入し、はやる心を抑えつつインストール。そして起動後に流れるなかなか見事なオープニング(+私的に大好きな歌手様の歌)を前に、俺のエロゲ魂は暴走寸前。その様は、人にあらざるまさに某国民的アニメの荒ぶるロボットのようであったという。息を荒げ、奇声を発し、マウスを握りしめ、ディスプレイにへばりつく暴走少年の前に流れるロミオテキスト群。
画面:【明】「OTAKUぅMASSHIGURAッ!」(地底から響くようなマッシブ外人ボイスで)
【俺】「ぬおおおおおおぉぉぉぉぉぉッッッ!!! OTAKUぅぅぅぅMASSHIGURAああああああぁぁぁぁッッ !!!」
叫ぶ。某ガ○ダムファイターのごときボイスで叫ぶ。二階の住人から抗議の壁たたきが連打される。
……気を取り直し、再び意識をディスプレイに埋める。そして流れるロミオテキスト群。ふるえる魂、あふれる笑い。そして流れる初めてのボイス。
画面:【国民的美少女】「や、やめてくださいッ!」
【俺】「キターーーーーーーーーーーーーッッッ!!! ○○○(声優名)ーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!」
まさに抜き打ち、不意打ち、乱れ打ち。サイトに紹介されていない、わが敬愛する声優様のいきなりの登場を前に、俺の魂の叫びがこだまする。そして響く二階からの「やかましいっ!!」のボイス。
今度は猛反省し、口にマスクを装着してからやり始める。意味があるのかという抗議はなしの方向で。
それからも叫べない俺のボイスは常に心の中に響き渡っていた。
【俺心】「うおーーーーーーーッッ、美月の声優さん超うめーーーーーーーーーーッッッ!!!」
【俺心】「おいおい、それぜんぜん『平和な一日』じゃねえだろーーーーーーーッッ(爆笑)」
すばらしい爆笑テキストに俺の顎ははずれる臨界点。そして途切れるボイス、繰り返される文章群、いきなり切れるエンディング。
【俺】「………………、………………はっ?」
俺、呆然。再度セーブ地点より繰り返す。そして悲劇は繰り返す。
【俺】「なんでじゃあーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!??」
マスクは吹っ飛んだ。猛反省は消失した。二階の住人が降りてきた。
土下座チックな謝罪後、何度もいろいろ試みたがどうにもならない。
それからしばらくの時が流れ、メーカーさんのサイトにて修正ファイル(ver.1.01)を見つける俺。
【俺】「あっ、な~~んだ。しっかり修正してくれてるんじゃん♪」
さっそく適用させてプレイ画面に。そして再び唖然する俺。……あれ、セーブデータが……ない?
※アップデートをするとver1.00のセーブデータは初期化されます。予めご了承くださいますようお願いいたします※(メーカーサイトより)
【俺】(ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!)
しっかりと心の中で叫ぶ俺。二度あることは三度ある。悲劇は再度繰り返す。それでしっかり直っていれば良かったのだが……。怒り大爆発。怒りの矛先となった哀れなマウスに、合掌。
そして待ちに待って再度の修正ファイル(ver1.02)が出たのはそれから1ヶ月半後。……このクソ忙しい時期に、ブツブツ。そして始める三度目の正直。セーブデータが消えるくらいでは怒らないぞ。
とりあえず結論。
1.オールクリアができたことに安堵。
2.テキストは過去最高の爆笑度数。俺のツボに妙にはまってくれた。
3.シナリオの流れに関してはそこそこ。若干美月の設定に無理が感じられたことと、エンディングがおかしい(システム上の問題含む)キャラがいたくらい。
4.綺羅シナリオがほぼ壊滅状態。いきなりのエンディングに二代目マウスの左クリックボタンが陥没。
5.そして……○○○(声優名)ボイスがねえーーーーーーーーーーーッッッ!!! この方のボイス久しぶりでかなり楽しみだったのにーーーーーーッッ!!
総評。
他の方の低評価、非常に良くわかります。システム面のみで評価するなら、0点をつけるでしょう。
が、とにかく笑った、とにかくすばらしかった。やはり、テキストは秀逸。これだけでも元は取ったと思える。そうなると、このゲームに低い点数はつけられない。悲しきシナリオ命の宿命でした。
画面:「確かめるんだ」父が言う。「見つけましょう」母が言う。「いったい何を?」息子が問う。夫婦の声が唱和する。「すてきなサムシング!」「カモン!」全員でタップダンス。
そして画面前で踊り出す男が一人。なあおい、「おたく☆まっしぐら」は楽しそうなゲームだろう?
この道をたどった人は、俺だけに限らないだろう。
絵柄が超好み、声優陣が個人的にめっちゃつぼ、おまけにシナリオが田中ロミオ氏。……なのに製作「銀時計」。これを殺らずに何を殺るっ!!
※1.このテキスト内の一部は、「おたく☆まっしぐら/銀時計」(テキスト:田中ロミオ)より引用しております。
※2.なお、このお話はノンフィクションです。
ここからは余談です。……今までも余談だったような――?
1.やべえ、おたくってすげぇ。こんなに濃いもんなんだ……。……俺も負けてらんねえ(燃)
2.悪文長文すいません。とにかく叫びたかったんです。