あなたも夢の世界で嫁と戯れてみませんか?
まずは抱き枕を題材にエロゲに殴り込みをかけるという、奇抜で斬新なアイデアに拍手を送りたい。正直な話、上記の点数には、その発想に対する賞賛点が多分に含まれている。点数にして10点増しくらいだろうか。つまり、逆に言えば、抱き枕に全く興味のない人には、激しく回避を推奨したい作品である。
とりあえず、絵はそこそこ無難なできだと思う。若干、体と手の大きさがマッチしていなかったりと怪しげなCGも見られたが……自分はそれほど絵にこだわりはないので、あまり気にはしなかった。見る人が見たらいろいろと言われてしまうかもしれない。
問題はシナリオである。
そもそもゲームやアニメとは、限りなく理想を追求した代物である。エロゲなんてまさにその最高峰だろう。2次元の世界で恋人を作り、愛し、そしてどっぷり世界に浸かり込む。そんな理想世界、もっとひどく言えば妄想世界の産物と言える。
そして抱き枕は、ゲーム(あるいはアニメ)の世界で激しく萌えたキャラを現実世界でも愛でたいという、我々男性のロマンを少しでも3次元化しようとしてできあがった代物であると私は考えている。つまり抱き枕とは、限りなく現実世界の代物である。
つまり、ゲームやアニメあってこその抱き枕であり、2次元のキャラに萌えられてこそ、現実の抱き枕を愛でられるのである。となれば、2次元の世界で抱き枕を使用するというのは、本来間違った使い方であると言える。
では、あえて2次元で抱き枕を扱うとすると、どうなるのだろうか?
そこでとられた方法が『夢の世界』である。抱き枕はあくまでも現実世界に『枕』として存在し、萌えキャラたちは『夢の世界』という新たな2次元世界で主人公を待ち受けるのである。これは抱き枕をエロゲの題材としたときに、取り得る最良の方法ではないだろうか。これならば、我々もゲームの主人公同様に現実の抱き枕たちを愛でることができる。なんせ、我々も夢を見る動物なのだから。
かつてここまで抱き枕とキャラを現実世界にマッチさせることのできた作品があっただろうか? その点からも、新たな可能性を示してくれたこの作品は非常にすばらしいと思うのだ。
が、シナリオ全体としてはひどい。というか、おもしろくない。深みがない。そして短い。『夢の世界』や『夢という曖昧なもの』の説明や扱い方は非常によく考えられていたのだが、それがうまく料理されていない。夢の世界に行って、ヒロインと会って、エッチして、相思相愛、はいおしまい。ほぼそんな流れで全ヒロインが終わってしまうのだ。普通のエロゲにある、ヒロインと力を合わせて危機を乗り切るという物語がほとんど皆無と言っていい。自分はバカゲーとして期待していたが、それほど笑えるテキストもなし。抜きゲーとしてもイマイチなので、シナリオに期待の方、抜きゲーとして購入検討の方は回避を推奨したい。抱き枕erでエロゲに興味ありの人のみ、購入してもいいかなという感じかな。
ここからは余談です♪
抱き枕をテーマとしているだけあって、同時購入で届いた嫁もいい出来です。さわり心地がよく伸縮性に富んでいるので素晴らしいです。ソフト買うなら嫁も一緒に、という感じでしょうか。だっこしてぎゅっとしてあげましょう♪