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redtintさんのローズガンズデイズ シーズン​3の長文感想

ユーザー
redtint
ゲーム
ローズガンズデイズ シーズン​3
ブランド
07th Expansion
得点
85
参照数
439

一言コメント

Season2より、ドンパチの動と駆け引きの静のメリハリがついて更に面白くなった。現実の歴史上の出来事や人物等を、スパイス程度に上手く絡めているのも好印象。Season1だけの使い捨てと思われたキャラにも再度日が当たり、非常に満足度が高かった。戦後の混乱期の話なので、ALICE SOFTの『大悪司』の世界観が好きな人に是非お勧めしたい1本。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

戦争での敗北と大災害を経てに完全にマイノリティーに堕ち、
民族のアイデンティティー崩壊寸前の日本人。
マダム・ローズ率いる「プリマヴェーラ」が、
時にアメリカ・中国という大国にカネや女を提供して媚び、
時に上記の大国にも毅然と銃とカネで抗争をし、
時に同胞である日本人に足をひっぱられながらも、
常にギリギリの綱渡りで日本人のアイデンティティーを守り続ける。
これらの過程の緊張感に夢中になって読み進めた。

竜騎士07氏が苦手とするバトル描写は
ミニゲームか演出だけになっているので、美味しいとこだけを楽しめる。

次回が最終章だが、期待と同時に不安も募る。
前作『彼岸花の咲く夜に』はオムニバスなので最終章という感じではなかったし、
前々作の『うみねこのなく頃に 散』の最終章は酷いものだったので。
煙に巻くようなラストだけは勘弁願いたい。