シーズン1で残念だった箇所が改善されていて非常に面白くなった。テンポも良く、飽きずに読み進められる。作中の日本人評がフィクションとは言え、賛否両論を巻き起こしそう。なお『彼岸花の咲く夜に』と違い、シーズン1(前作)も収録されている。長文はシーズン1の内容にも触れている。
対抗勢力とのパワーのドンパチが主だったシーズン1に比べ、
シーズン2は各勢力の思惑や陰謀が中心で、より自分の好みに近づいた。
ローズ、ウェイン、リチャード以外のプリマヴェーラメンバーは、
2部ではかなり活躍が減っているのは要注意。
シーズン1で
・バトルが強いキャラの力任せ
→新キャラのオリバー、チャールズ、ニーナは各人の長所で連携して戦う
・日本人が西洋風の通名を生きるために使う悲哀を感じにくい
→ニーナの方言丸出しの喋りと、“ニーナ”という通名のアンバランスさで感じられた。
・意外性のある大人キャラがいない
→アマンダのケイレブ(敬礼寺)への愛情と、プリマヴェーラを守ることの
相反する2つを情に流されず、冷静に切り離せる姿。
と個人的な不満点はかなり改善された。
今回引っかかったのは新キャラ・ラプンツェルが、若いのにあまりにも有能すぎること。
レオは経歴的に抜群に有能でも納得できた。
シーズン3以降で明かされるであろうラプンツェルの経歴や正体が、
有能である根拠として納得できるものでないと、少し興醒めするかもしれない。