良燃えゲー。PC移植版シナリオの主人公は成長するタイプ。コンシューマオリジナルシナリオの主人公は、主人公らしくリーダーシップを発揮。なお、どちらのシナリオもほぼ一本道。
<プレイ時間補足>
『罪と罰と贖いの少女編(以下、オリジナルシナリオ)』60時間
『虚ろなる鏡界編(以下、追加シナリオ)』12時間
オリジナルシナリオは想像よりどんでん返しもあり楽しめた。
主人公より賢久の方がカッコいいのはどうかと思ったが。
【赤い夜】という設定は上手い。
戦闘の場である赤い夜と平穏な現実の世界の行き来が、時間場所を問わずに起こるのは緊張感があって良かった。
最後のご都合主義は思ったより我慢できた。
ご都合主義ではないエンドもあれば尚良かった。
ウザいと扱き下ろされているゆかについて、皆さんの意見に納得。
全編通して自分のことしか考えてないよ、コイツ。
主人公に対して「あなたのため」「あなたが心配」と言うのは、
結局全て「自分のため」「自分が心配したくない」に置き換えられるという有様。
追加シナリオは、本編のシナリオに上手く挿入したなと感心することしきり。
主人公はオリジナルと違いリーダーの役割でカッコよく、一見完璧にみえるけど人並みに悩んだりするところも親近感がわく。
設定もキャラもいいだけにボリュームの少なさや掘り下げの甘さにより
「おまけだし、こんなもんでいいか。」という手抜き姿勢で作ったのがモロ分かりなのが残念。
とにかく短すぎるので、
・主人公とヒロインの惹かれあう過程に無理があり過ぎるヒロインがいる。
・黒幕バレバレ。
・主人公の祖父についてなど、掘り下げが足りない題材がある。
などなどの欠点が目立つ。
ファンディスクで追加シナリオの完全版が収録されたら、悔しいと思いつつ買っちゃいそう。
立ち絵の演出が見ていて楽しい。
特に感心したのは、菊理先輩の筆談のためのスケッチブックが全て立ち絵上でも文字が書かれていること。
スケッチブックを白紙にして、ウィンドウ上だけ内容を出すのが普通なのに、敢えて手間をかけた姿勢は素晴らしい。
しかし派手な演出がPSPの性能にとって負担が大きいらしく、
一部背景の途切れ・BGMの途切れ・頻繁な読み込み・一部立ち絵が二重になる・SEと演出がズレるなどのシステム面の不満点が目立つ。
この状態でメディアインストール非対応はメーカーの怠慢。
インストールしても尚遅いのかもしれないが、インストール機能をつける努力くらいしてほしい。
BGMと歌は良い。
ただボーカルが7曲もあり、結構曲調が似ているので一曲一曲の印象が薄くなってしまうのが惜しい。