くだらないことに悩む主人公を安易に登場させる駄作とは違い、悩むべき悩みと戦い答えを探し出したシナリオは見事だった。とりあえず前作をプレイした上で。
前作と今作の両方やっていることが前提。
流行?の鬱ゲーで、主人公らが理解できないような細かいことで悩み、苦悩しているフリをしているものが多い中、本作の悩みはとても実感できる。その違いの1つとして、主人公が自分勝手に悩んでいるのではなく、あくまでも周りの人間の事を考えて悩んでいるということ。「周りに心配させたくない」この悩みは非常に重い。
そんな悩みに対して、各個別ENDでも答えを出そうとしているが、「真の解答」は全ての個別ENDを見てからでないと見ることができない。このことは、ずっと悩んできた長い過程をプレイヤに実感させることになる。「真の解答」が正しいのかどうかは分からないが、前作と今作の集大成であることは間違いない。
また、主人公が非常に魅力的でもある。ちまたのエロゲーでは、なぜか分からないがモテる主人公が多いが、実際に彼らと同じような行動をしたところで、モテそうだとはとても思えない。しかし、本作の主人公の行動は、あり得ないシチュエーションもあるだろうが、とても格好いいと思った。
ヒロインに関しては、やはり妹「晶子」の存在が大きい。前作とは違い、これでもかと妹パワーを見せつけてくれる。妹属性が無くても、良い子だと思わずにはいられない。昨今のエロゲーでは、妹と言えば、義理の妹で、当然のようにHに繋がる訳だが、そういったエロゲーの王道とは違う形での良さを見せる。個人的にはマキ(ちはるもか?)の存在がちょっと浮いている気がしないでもないが、そのあたりは適当に。
あと、母と父がなにげにいいキャラクターだったりする。
ただ、システム的にはちょっと残念だった部分も。文章の履歴が見れないので間違ってとばしてしまうと少しショックに・・・。