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radiorightさんの対魔忍ユキカゼ2の長文感想

ユーザー
radioright
ゲーム
対魔忍ユキカゼ2
ブランド
Black Lilith
得点
75
参照数
2562

一言コメント

もやっとする……のは間違いない。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

とにかく意見も賛否も分かれる(であろう)作品。
というのもユキカゼ(前作)とも水面下でほんの少し方向性が変わっており、寝取られジャンルとしても少々歪な感じになってしまっている。
以下考察。

1.機械や薬品による改造、といった手段がメインではない(一応あるにはある)
→精神や身体を改造……といった背徳感はあまりなく、かといって妖魔関係の術とかもそれほど関係してこない。
 いつもの如く感度は上がっているのだが、ぶっとんだアレコレがないためインパクトというか「調教要素」がそれほど感じられない。(いちおう調教モノのそれっぽくシーンは進むのだが、反応が結構常識的なのがなんとも言えない味を出す)
 
2.堕ちていく過程が薄い
→いきなり「こいつのこと好き勝手できるで」モードのため、基本的にべたべた触られてはつっこまれるシーンが続く。
  特に本編は主人公視点で時間がすっとばされるので、結局よく分からないまま「実は堕ちてました」→「は?」となってしまい、いまいち寝取られている感に欠ける。

3.眼鏡先生
→必要かそうでないかと言われたら後者っぽい。どうせならもうちょいシーンとか欲しかった。せめて堕ちた過程のダイジェスト位は……。

4.堕ちた後の描写
→寝取られモノとしては珍しく彼女らの性格も言動も変化は控えめのため、完全に堕ちている感もいまいち。
結局堕ちたのは主人公を助けるために本当にしかたなく…とも取れてしまうので、なんか綺麗所を残したまま本編が終わってしまう。(その後完全に堕ちた云々のシーンもあるが、つじつまとか考えるとやっぱりもやもやする。)

総評としては、Hシーン単体の性能は高いが、そのつなぎというか過程が不明瞭。
全部終わった後にシーンだけ見返すとすごくエロいと思うんだけどね。
問題なのはやはり「段々と堕ちていく」過程を、それっぽくみえるようにごまかしてしまっていることか。
寝取られモノとしてはすっごくどっちつかずな方向性が、「なんとなくエロいけどなんとなく違和感が……。」という考えに持って行ってしまう、そんな作品だったと思います。

個人的に雰囲気や設定はすごく好みなので、この細かな惜しい点さえなんとかなれば問題なく良作と言えるのではないでしょうか。