原典の知識がないと意味不明になる箇所が多い、ものすごく客を選ぶ作品
雰囲気と言葉遊びが趣味に合えば面白いが、元ネタの多くを英国などの古典文学にとっているため、原典を知らないと意味の半分が分からなくなる。原典のほとんどを読んだり舞台まで見ている自分でさえ、過去に読んだ本の全てを覚えているわけではないので、いまいちわからないところがあったという、ものすごく客を選ぶ作品。
さらに大きな特徴として、表示されるテキストと音声のセリフは同じではない。時として音声が本音でテキストは建前のような演出もある。ライターの負荷が倍になる贅沢な仕様だが、このためクリックが速いと重要なセリフを聞き逃す恐れがある。オートプレイ機能があれば回避できるのだがそれが無い。この作品においては、この点は致命的に使い勝手を悪くした。
ライターは素晴らしいがプログラマはダメというのがライアー作品の定番評価だが、今回もこの点は変わらなかった。しっかり感動もしたので名作と呼んでもよかったのだが、ゲームシステムが足を引っ張り大幅減点。最終評価は佳作。