名作になる要素もあったのに、なりそこねた残念な作品
メインの話は悪くないのだが、ゲームシステムに大きな失敗がある。最大の問題は二つ。まず選択肢に必然性がないため、ゲーム攻略の面白さに欠ける事。もうひとつは、主人公は変態プレイで苛めているのに、どういうわけか純愛になってしまうこと。特に千鶴の心変わりは「マゾですか」と呆れてしまう豹変ぶり。ツンデレというより性格異常にさえ思えてしまう。このため、ゆりルートと千鶴ルートの展開には納得できない部分が多く、クリア時の達成感が感じられなかった。
しかし、イングリットルートは悪くなかった。このルートはイングリットの性格やカリスマの設定も含めてよく出来ており、最後の展開にも感心できた。他の二人もイングリットルート並みの説得力を持っていたら名作に化けていたかもしれない。他のヒロインにもキャラとしての魅力はあったので、本当に惜しい。
選択肢に必然性が皆無なので、攻略サイトの参照を推奨。