純粋なイチャラブゲーとして
風呂敷を広げすぎない分、しっかりと纏まっているというか。
新たな展開によって物語が進むというよりは、過去の縁とか、そういうものが明らかになる過程で進む感じ。
何か突飛な“転”を求める人には退屈かもしれない。テキストは読みやすく、量もほどよい。
このゲームで素晴らしいのは、ルートに入って、ヒロインと主人公がくっつくまでの過程じゃないかなあ、と思う。
デレが。デレが。おいおいそこまでデレちゃっていいのかよ、と思うくらい。真乎先輩とかな!
ただただ、主要キャラ4人のルートは甲乙付けがたい良さなんだけれども、それをクリアした後に出来る御湯利ルート……
悪いわけではないのだけど、短いと感じてしまった。ケモミミっ娘キャラとして期待していただけに。
もちろん、繰り返すようだけど、悪いわけじゃない。力を取り戻す過程の中の、声優さんの演技とか。尻尾コキとか。
個人的に一番良かったのが、いずきルート。(その生まれ方故に)全く毒が無い感じ。今時珍しい清純派ってヤツだね。
傍から見ててもプラトニックさを感じさせる描写が多くて。手紙を書くところとか。終盤の自立するシーンも。
もう一回ルートやり直したいなあと思わせるくらいには、理想ど真ん中。端々の質が高いだけに……。
この作品は「読みやすい」。インタフェース面を含めて、丁寧な作りが好印象。
音楽も秀逸で、CGも綺麗。登場人物全般も個性があって、嫌だなーと思うキャラクターもいない。
(展開的な意味でも)安心して読み進められる。突っつけば色々出るのだろうけど、少なくとも良作の範疇ではあると思う。
まあ、御湯利が……そこだけが心残り。