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puddingさんのこの世の果てで恋を唄う少女YU-NOの長文感想

ユーザー
pudding
ゲーム
この世の果てで恋を唄う少女YU-NO
ブランド
elf
参照数
2202

一言コメント

偉大ではある。だが…。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

エロゲーに、某評論家風にいえば、メタ物語的なシナリオを持ち込んだのは偉大。
しかもそれが1996年というのは確かにすごい。

まず一番ゆるせなかったのが、たくやがユーノとえちすること。
実妹とかならまだしも、実の親子で、は個人的にありえない。
これのせいで相当減点。セーレスとユーノの親子との暮らしを侮辱された気分になる。
クラナドでいえば朋也が汐とえちするようなもの。本当にありえない。

最近、バルドスカイ大仏の空√が、展開が速い、起伏がありすぎ、あるいはお粗末に仲間が死ぬせいで、感情移入できない、という意見をよく見るが、
自分にはこちらのほうが展開が速くて、感情移入できなかった。

異世界√に入ってからの展開が異様に速い。
クラナドみたいな人生レベルの年月を、数十分くらいで描写してしまうので、セーレスの死でも泣けなかった。
その後の展開もかなり速く、設定が明かされるのも徐々にではなく、1会話ぐらいで一気。
事象の木とか龍造寺が次元犯罪者だとか絵里子先生が次元監察官だとか。なんかいつ空と同じ、いきなり作品の印象が変わるあの感じを受けた。
亜由美さんや絵里子にしても、たくやがもといた次元の亜由美さんや絵里子ではないので、その死や別れに対しても特別な感情がこみあげてこなかった。

設定も一見科学的に見えるが、実は妄想レベル、という印象を受けた。
まあシュタゲをプレイ済みなせいで、
科学的に凄いという期待感が大きすぎたせいもあるが。
(あっちは科学的にありえそう、そう感じさせるために11個の理論や、12番目の理論を丁寧に解説してる)

あと以外に細かいところでご都合主義。絵里子が龍造寺を一撃で倒せる銃をもってるとか、地震が都合のいいところで起こりすぎ、とか。Fateや車輪ほど数が多くはないが。

攻略の難しさも魅力の一つとされているが、今のエロゲに慣れた人にはきつい。
選択肢でウェイトがかからず、間違えて選んでしまい、
20枚目の書類を失ったときはキレたwww宝玉セーブもしてなかったので。
短気な人にはお勧めできない。

偉大さを考慮して、そしてある程度楽しめはしたのでこの点数。