NTR? 弱者は強者に永遠に逆らえない。
絵は綺麗でヒロイン可愛いし相当期待したのにシナリオにあまり深みがなく、主人公への哀れみや焦燥感、ヒロインの色気・エロさ、間男への憎しみなど、心にグッとくる、抉るような感情がプレイ後に沸いてこなかったなぁ。
どうしてだろう?
主人公の会社社長の孫(子ども)という一見弱者を装った悪ガキ(強者)の元に、ヒロイン(大人)が雇われ身のアルバイトという立場(弱者)で通うことになる。
この構図だけでもう何か波乱が起きるという大きな予感がしちゃう。で、期待通りにヒロインが犯したちょっとしたミスからこの悪ガキにつけ込まれ、それを盾に脅されてレイプや凌辱まがいなことをされるようになるけど逆らえない。
主人公も同じ。
逆玉の輿みたいな感じでヒロイン(強者)と結婚してヒロインのアルバイトの世話をしたのが勤め先の会社の社長(強者)。
悪ガキに色々されてヒロインの様子がおかしくなっていても問い質せないし、挙句に主人公は避妊しているのにヒロインが妊娠したことに大して疑問も持たずそのまま受け入れるってまぁ普通ならあり得ないだろ。
そう、弱者は強者に永遠に逆らえない。
ヒロインが良い子過ぎていわゆる悪に対する耐性がまったく無く、こんなクソガキにも歯向かう事が出来ない、抗うことが許されない状況が最初から出来上がっちゃっている。
主人公に感情移入しないまでも滅茶苦茶に歯痒い思いがして、証拠の映像まで撮っておきながら何もしないで終わるシナリオに、深みがないと感じるのは当然だと思う。
ヒロイン、主人公、間男を含めて登場人物の立場、存在感、魅力などの陽の部分と対称となる嫌らしさ、下衆さのような陰の部分がテキストにもっと上手く落とされていればもっと印象が変ったのかも知れない。
ヒロイン可愛いし、声も良かった。おどおどしている雰囲気はよく出ていた。声優さんの演技が〇。
毎パートで夫視点と妻視点を選ばせるのはづか氏の定番手法だが、この作品でもウザくて要らなかったと感じる。