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poniteさんの天冥のコンキスタの長文感想

ユーザー
ponite
ゲーム
天冥のコンキスタ
ブランド
エウシュリー
得点
78
参照数
1103

一言コメント

減点要素をなるべく減らして加点要素をごっそり削り取った感じ

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

【ゲーム性について】
至って普通な作りのSRPGです
神ラプとかとは違い普通にまともなバランス調整だと思います
今回はミッションもまともで
神ラプは意味もなく作業時間を浪費させるものが多かったですが
今回は戦闘内で余力があればやればいいし
ぶっちゃけ強い装備が貰えるもの以外はやらなくても問題ないです
報酬内容も儀式ポイントというあっても困らないが
ないと困るという中々良い設定しているので
今回はその辺は上手く出来てるなと思いました

古典的なSRPGとしてよくある
☆攻撃射程に入ると敵が動きだす
☆一定ターン経過で敵が動き出す
☆特定の範囲に入る?または特定の場所を通過する?と敵が動き出す
というのと
☆高低差によって技の射程の変化や移動制限がある
☆遮蔽物などで攻撃が届かない
☆急に伏兵や援軍がある
などマップや敵の行動パターンを利用した戦略が取れる

今回のエウシュリーの売りである「シンプルなステージクリア型のSPRG」についてですが
☆1週のステージ数50という割とボリューム多め
☆上記のように古典的なSRPGなのでゲームバランスは普通
☆手軽に1ステージずつプレイ出来るので一日の時間をあまり削られないかな?
とコンセプト通りな感じではありました
ただソシャゲの周回なんかを一回する方が手軽で空いた時間に簡単に出来たりするため
SRPGを1ステージクリアというのはお手軽だけど、少し時間に余裕を持たないといけないかもしれません
一日でがっつりしなくてもいいよというのは有難いところではあります

ユニットの成長選択というのは自分ではよく分かりませんでしたが
ステータス吟味というのを加味したステ設定やキャラの運用方法があるとしても
そこに気づける人が恐らく少ないだろうと思いました
SRPGのポイントとして一発で倒せるのが二発で倒せるのかはかなり大きく変わりますし
回避盾等の囮役として機能するかというのもポイントになりますので
ステ吟味次第で上手く嵌るステージもあるのかなとは思います

輪廻の呪のシステムの方は割と面白味はありますね
システム的には三つあって
名称は違うんですが機能としては
☆クラスチェンジ
 別のクラスに変化する事で修得スキルが増え、ステの成長率も変わる
☆レベルリセット
 レベルを1まで戻す、クラスチェンジ前から育成の場合と
 クラスチェンジ後にリセットして育て直した場合では
 後者の方がステが高い事が多い
☆クラスリセット
 スキル修得はそのままに初期クラスに戻る仕様
 クラスチェンジに分岐がある場合
 本来修得し得ないスキルを引き継いだまま別分岐にクラスになれる
となりますが
クラスの分岐があるユニットが少なく自由度が少ないように思います
主要キャラなんかも普通に分岐があってもよかったのでは?
スキルに剣装備とかそういう枠を取るのであれば
それこそクラスチェンジで使える装備に変化を持たせた方が面白いと思いました

あとはスキルでステータスが上がるものとダメージが上がるものがあり
ダメージが上昇する後者が強い
ダメージ上昇系スキルは地形に依存したスキルや敵のタイプで発動条件を満たすものがあり
細かいところに気を付けるととても有利に進められる
この辺りは縛りプレイなどに向くのかなという印象でした
普通にプレイしていても序盤は地形を発動条件にしたものが強かったです

【キャラクターについて】
メインヒロインというかボスキャラが8人いて
それを捕獲するとキャラ事のイベントが見れます
基本的にエッチシーンとスキル修得イベントの二つになります
絵的にも設定的にも魅力的なキャラが居ますが
キャラとの関わりが少ないのが残念です
メインストーリーでは一部のキャラが後半に関わるくらいで
基本はミィナとの二人旅+取り巻きという感じ

【総評】
キャラクターは魅力的で、ゲームシステムは古くからあるSPRG
ステージクリア型のSRPGという点において
ストーリーをごっそり削ったのはゲーム性を主体とするならテンポが良くプラス要素であり、
戦女神シリーズのようなものを求める場合はマイナス要素でもある
特にキャラ設定に魅力を感じる場合はとても勿体無く思える
私個人としてはそこまで悪いようには思えない
きちんとしたシナリオが必要に思えるのは
良いか悪いかは置いといて
今までそういうタイプのゲームしか出してないためであり
ブランドネームからある程度期待してしまうのも仕方ないが
時代の変化に伴って、ある程度変化があるのも分かる気はする
PCゲームの時間が多く取れない人もきっといるし
こういうのもある意味いいチャレンジかと思う
ただし、PCゲームはソシャゲではないので
ユーザーがブランドに何を求めてるのかによって
評価に大きく影響してしまうのかなと思いました