妖しげな雰囲気が秀逸。ゴアという魅力的な化物を生み出した時点で、この作品は半ば成功したと言っても過言ではないと思う。
この作品の魅力は、何と言ってもゴアというキャラクターの存在にあると思う。
その奇怪な容姿、言動が素晴らしく、何とも言えない妖しげな雰囲気を醸し出している。
またシナリオも希衣佳ルートが秀逸で、過去のトラウマを刺激され、発情し、錯乱していく様は実にエロティック。
ただ惜しむらくは、メインのユカルートが、登場人物の心の移り変わりを上手く表現出来ていないように感じた。
その辺が上手く表現されていれば、より一層魅力的な作品になったと思う。
ゴア(メタル)本のコメントによると、当時和泉万夜氏の都合がつかなかった事で草壁祭氏の起用が決定したらしい。
和泉万夜氏が担当していれば、果たしてどんな作品になっただろうか?
おそらくストーリーはもっと面白くなっただろうが、この怪しげな雰囲気は出なかったように思われる。
どちらがより魅力的だったかは分からないが、和泉万夜氏による『ゴア・スクリーミング・ショウ』もやってみたかったという思いが少なからずある。