テキストが面白く、ストーリー性とエロが両立している。おまけ要素も充実しており、満足感の高い作品だった。
「うちの妹のばあい(はぁと)」のリニューアル版。寝取られ要素を省き、新キャラ、外伝などを追加。元の部分と追加要素とのギャップが激しいのが難点だが、追加要素の内容が凄い。真説純愛版や外伝など、中身がかなり充実している。ボリュームも本編と同様かそれ以上あって、ミドルプライスの作品とは思えない位の満足感がある。グラフィックは、イベントCGの元の部分と追加部分とのギャップが激しく、塗りも好き嫌いが分かれると思う。個人的には嫌いな絵柄ではないが、妹の、紫色の髪の毛はどうかと思う。声、音楽は良好。曲数は少なめだが、作品の雰囲気に合っていたと思う。システムは、基本的には快適だったが、強制スキップに既読スキップの設定が反映されてしまう点が不便だった。後、ウインドウメニューのアイコンが小さめだったのも使いにくかったと思う。
攻略可能なヒロインは、優香、菜々子、純子、さゆり、美穂の5人。エンディングは11種類で、外伝は14種類用意されている。
本編は、オリジナル版の内容から寝取られ要素を省き、新キャラの美穂と純子のルートを加えたらしい。オリジナル版はプレイしていないので詳細は分からないが、追加部分とのギャップが激しく、寝取られ要素を匂わすテキストが気になった。テキストはともかくとして、CGは全て描き直して欲しかったと思う。あまりにも絵柄が変わりすぎていた。基本的にシリアス部分の描写は物足りなく感じたが、Hシーンのバカっぽいノリが印象的だった。シリアス路線の作品と思ってプレイしたので、セバスチャンプレーとかには面食らった。
本作の目玉といえる、真説純愛版や外伝はとても面白かった。なかなか感動的だったと思う。そして、その後に追加される猥伝が、その余韻をぶち壊しにする内容でかなり笑えた。この辺りの遊び心が素晴らしいと思う。
Hシーンは、オリジナル版が32個、純愛版が34個用意されており、純愛路線の作品としてはかなり回数が多い。傾向としては、オリジナル版がバカゲーっぽいノリが多く、純愛版はマニアックな内容が多かった気がする。特に、「驚愕の腹話術」などの発想は凄いと思う。個人的にはかなり笑えた。また、基本的には主人公が受けの立場が多く、言葉攻めが充実している点などが特徴的だが、主人公とヒロインの攻守の立場がコロコロと入れ替わるのが面白く、主人公と優香のやりとりが見ていて楽しい。
おまけモードも充実しており、プロフィール、お兄ちゃん年表、おもちゃ箱などがあり、見ていて楽しかった。手間は掛かったと思うが、この辺りの充実ぶりがこの作品の魅力を高めていると思う。また、回想モードやエンディングモードも使いやすく、回想の開始位置選択機能やヒント機能が実装されており、その心配りがうれしい。
完全リメイクではないのが残念だったが、全体的に魅力的な作品だった。何と言っても最大の魅力はおるごぅる氏のテキストだと思う。シリアスなノリやドタバタしたノリも魅力的だが、それ以上にHシーンのテキストが面白い。この作品ほどストーリー性とエロが両立した作品は少ないと思う。ただ、結構くせのあるテキストなので、購入する時は先にHPの作品紹介を確認した方が良いと思う。Hシーンサンプルのテキストが合えば、おそらく楽しめると思う。