エロが凄い。ただし、ストーリー性は低い。
攻略出来るヒロインは幼なじみの舞1人のみ。周回プレイが前提で、普通にプレイすれば3周目でエンディングに辿り着く。その後に追加される回想EX3を見ると、真エンディングが追加される。
「和姦る。ただそれだけ」がキャッチコピーの作品で、1周目は本当にひたすら和姦るだけで終わる。2周目も大差ない。3周目でやっと全貌が明らかになり、最後に少しだけ盛り上がる。なお、全ての選択肢がエロ関連で、毎回3種類のシチュエーションが用意されているのが特徴といえる。
キャラクターは結構魅力的なのだが、ストーリー性が低いのであまり活躍する機会がないのが惜しまれる。主人公は本来強く優しく格好の良いキャラのはずだが、Hシーンでの悪い面ばかり強調されている。サブヒロインっぽい葵は、舞のライバルとして話を盛り上げることを期待していたが、殆ど何も暗躍することなく終わっている。他の男連中も大して見せ場のないまま終わっている。
Hシーンは51種類用意されており、純愛路線の作品としてはかなり多い。和姦という制約の中で、よくこれだけのシチュエーションを用意出来たものだと感心させられる。主人公とヒロインの頭の悪い会話が面白く、シチュエーションも笑える内容が多い。印象的なタイトルをいくつか挙げると、「もうひとつの初体験」「恐怖の裸エプロン」「座薬を考えた人は天才」などがある。「もうひとつの初体験」では、主人公がいきなり幼稚園の頃の夢を語り出して笑えた。「恐怖の裸エプロン」「座薬を考えた人は天才」は、一般的な内容を想像すると意表をつかれる(ちなみに、一般的な方も用意されている)。他にも、10連発の「朝まで舞にどっぴゅどぴゅ♪」や、悪ふざけ的な内容の「もし舞が処女じゃなかったら」など、笑えるHシーンは数多い。
グラフィック、声、音楽、システムなどは、あまり期待しなければそれほど悪くない内容だと思う。ただ、古い作品なので、最近の作品と比べるとやはり見劣りする。個人的には、文字の見にくさとスキップ機能以外はそれほど気にならなかった。また、風見春樹氏の立ち絵はこの頃が一番魅力的な気がする。
おまけ要素として、プロフィール、音楽モード、CGモード、回想モード、エンディングモード、舞のつらつら雑記帳、などがある。この内、プロフィールと舞のつらつら雑記帳が面白く、回想モードとエンディングモードの使い勝手も良い。また、コンプリートするとタイトルが「幼なじみな彼女になりました」に変わり、イラストも変わる。遊び要素が充実しているのは、このブランドの魅力的なところだと思う。
全体的には惜しい作品だと思う。テキストが面白くて笑える内容なのだが、手軽にエロを楽しむことをコンセプトに作っているので、ストーリー性が低い。1周目は本当にHするだけで終わり、主人公が最低でデリカシーに欠ける人間として描かれている。この時点では主人公に良いところがあまりなく、嫌気がさす人もいると思う。2周目もあまり変わらず、Hシーンの回収とアイテムの入手だけで終わる。Hシーン自体は面白いのだが、さすがにHシーンばかり続くのは結構きついものがある。3周目もクライマックスまではあまり変わらず、相も変らずHシーンの回収が続く。要するにストーリー的見せ場が3周目のクライマックスにしかなく、そこに至るまではひたすらHシーンを回収するだけとなっている。ストーリーとエロの両立した作品として作っていれば、より魅力的な作品だったと思う。
色々と惜しいところはあるが、おるごぉる氏のテキストが好きな人なら充分楽しめる内容だと思う。ちなみに次回作予告が入っていたが、こちらも面白そうだった。発売中止になっているのが残念でならない。
良かったところ
・日常会話が面白い。
・Hシーンの、頭の悪い会話とシチュエーションが面白い。
・クラスメートの耕二が(バカ担当として)良い味を出している。
・おまけ要素が充実している。プロフィールや舞のつらら雑記帳が面白い。
・ショートカットキーが充実している。
悪かったところ
・ストーリー性が低い。
・思い付く限りの表現を試そうとして、取り留めのない文章になっているような印象がある。
・CGの描き込みが甘く、特に手首から先がかなり大雑把。
・文字が見にくい。
・既読スキップの設定がCtrlにも反映される。
・クイックセーブ・クイックロードがない。
印象に残ったHシーン
・「もうひとつの初体験」は、主人公の夢が笑えた。
・「恐怖の裸エプロン」「座薬を考えた人は天才」は、選択肢に意表をつかれた。
・「舞のメイド調教」と「朝まで舞にどっぴゅどぴゅ♪」の仮想京子(ヒロインの母親)堕としは、ヒロインの舞がやけにノリノリで演技しているのが面白い。
・「フェラチオはスリルでしょ!?」「ボクの水泳教室」「おちんちん溺死」「史上最高のプール監視員」「学長のお話」は、時と場所を弁えない強引さが笑える。