ライトな雰囲気の作品。
物語の骨子は悪くないと思うが、色々と失敗しており、作品としての出来はあまり良くない。物語の骨子となる部分をもっと膨らませて、本格的な伝奇物にした方が面白くなった気がする。
シナリオは基本的にドタバタ騒ぎが続き、その後物語の核心に迫るという流れとなっている。しかしドタバタ要素を上手く本筋に絡ませることが出来ておらず、横道に逸れた話が続くのでだれてしまう。本筋への突入の仕方も唐突に感じられ、更に本筋自体も描写不足が目立つ。
登録されるHシーンは28種類。特徴的なのは拷問だが、せっかく捕まえても情報を聞き出すと逃がしてしまう。そのせいで主人公がエセフェミニストっぽくなっており、更にエージェントとしても三流になってしまっている。おバカなノリの悪戯も用意されているが、取って付けたような内容が多い。例えばマユミを篭絡して本番までこぎ着けるのだが、本筋に入った途端にマユミの反応が元に戻ってしまう。主人公はエロ好きの一流エージェントという設定なのだから、もっと色々な相手を篭絡してそれを本筋に絡ませれば面白かったと思う。
全体的に中途半端な内容で、整合性の問題、伏線の投げっぱなし、バグなど、色々と欠点が多い。きちんと仕上がっていれば良質のドタバタコメディになったと思われるが、全体的に勿体無さを感じさせる作品だった。