かなりの力作。特にキャラの濃さと掛け合いの面白さは見事。ただ、ストーリーは微妙。『つよきす』ほどの魅力は感じなかった。
キャラの濃さと掛け合いの面白さは、実にタカヒロ氏らしい見事な出来だった。そして、メインヒロイン５人の他にも、翔一、岳人、卓也、千花、真与、梅子、ＴＲＵＥのルートが用意されている。更にゲーム終了時にも１０６種類もの掛け合いが用意されており、タカヒロ氏渾身の一作であることは間違いないと思う。
ただし、ストーリー的には暗いネタが多く、話自体はあまり明るくない。個人的には、ストーリー的にも明るい『つよきす』の方が好みだった。
また、ヒロインとその他の連中の誰か１人にスポットを当てた物語を１２本用意しているので、ボリュームの割にこじんまりとした内容になっている。そして、恋愛物語としては惹かれ合う過程がおざなりで、劇的なイベントも用意されておらず、いまいち盛り上がりに欠ける。キャラゲー的な構成にするよりも、バトルがメインのシナリオを３～４ルート用意した方が面白かった気がする。
結局のところ、１番目と２番目にプレイしたクリスと由紀江あたりまでは結構楽しめたが、３番目にプレイした京でダレてしまい、その後のルートはあまり楽しめなかった。そして最後にプレイしたＴＲＵＥルートは、メインルートとして凄い展開があることを期待していたのだが、ラスボスのスケールの小ささに失望する羽目になった。伏線が露骨すぎて正体がばればれだったし、散々煽っていた釈迦堂とその弟子達の活躍も期待はずれだった。
もっとも日常のイベント自体は面白かったし、要所要所のお祭的イベントも楽しめた。ストーリー的には不満が残るが、要は好みの問題だと思う。ちなみに登録されるＨシーンは２０種類。ＴＲＵＥルートのＨシーンが何か笑えた。お気に入りのヒロインはクリス。ヒロインとしてもサブキャラとしてもおいしいキャラで、ストーリー的にも一番良い出来だったと思う。