作品への入り込ませ方は声優さんの演技も相まって素晴らしいものだった。世界観の構築はピカイチだが未回収?のものが多く残り、スッキリという感じにはなれなかったのが残念。
作品への入り込ませ方は声優さんの演技も相まって素晴らしいものだった。世界観の構築はピカイチなのだが紙まほを匂わせていた設定やセリフ含め、未回収?のものが多く残り、スッキリという感じにはなれなかったのが残念。
以下気になった点
・魔法使いについての言及が少ない…紙の上の魔法使いではしっかりとメインに据えられていた設定であり、少しはそこへの言及があるかと思ったのだが、氷狐が出てきただけで終わってしまい、結局魔法使いとは何で何の目的があったのかが曖昧だった
・オニキスの不在証明や白髪赤目…ここまであからさまに紙の上の魔法使いを想起させるならもう少し何かしら欲しかった(これは願望です)
・未来と主人公の過去編で似たようなやり取りを何回も読まされた…勿論、視点による心情描写の違いはあったが、もっと好意をよせるようになった経緯なども含めて掘り下げて欲しかった
・琥珀の終盤の存在感の薄さ…氷狐に憧れて劇を見に来た少女が琥珀なのであろうが、現実での琥珀に関する描写が少なく、火事での救出シーンもなし。琥珀はTRUE前の最終ヒロインであるのに琥珀の掘り下げが少ないのはどうなんだろうか………。ヒロインやサブキャラがある程度横との繋がりを持つ上で彼女は一人浮いていたように感じます。
・個別√時の他ヒロインの扱い…例えば琥珀√?で奈々菜の首吊り描写があったりめぐり√?で理世の描写があったりしたが現実での状態とは異なっており、どの様な扱いになってるのかよく分からなかった。これは理解度不足だったら申し訳ないです。
・エピローグにおいて未来へほぼノータッチ…めぐりなどはあれだけ王海などの回想があったのにあの別れ方をした主人公が未来にノータッチなのはどうなの?個人的にはエピローグで未来の事を想うようなテキストが欲しかったです。
などなど個人的にはもう少しボリュームを増やしてもいいからじっくり丁寧にやって欲しかった気持ちもありました。5章や8章以降の盛り上げ方は良かったのですが、途中で多少中弛みする部分もありました。具体的には理世の個別√などは分岐にして本筋に近いシナリオを入れてくれて欲しかった…
しかし、今回の作品はルクル先生の黒い部分がモロに出ており、今までの作品でもトップクラスに引き込まれた。更には来々や朧、双葉といったサブキャラにもちゃんと過去や見せ場が用意されており、キャラを引き立てるのは上手いなぁと感じました。
本編自体の話は好きで、未来の葛藤や別れのシーンは名シーンだと感じたので不満点はありつつもこの点数をつけさせていただきました。次回作も楽しみにしています。