インレの歴史物はやっぱり最高でした。
1,2,3章で構成されているが、1,2章は義経記をなぞりながらタイムスリップ物として面白かった。
歴史上の小ネタも多く挟まり、日本史が好きな私としては充分に楽しく読むことが出来た。
1章では戦闘面で少し主人公が頼りないように見えたが、1章終盤あたりからはちゃんと主人公しだして2章ではカッコイイ主人公ができていたと思う。
一方で3章では、突如ファンタジーが始まるのはともかくポッと出のキャラ(為朝や将門, 興世王など)が多く、入り切れない部分があった。陰陽師という事で将門までは分かるので出来るならばもう少し既出キャラ+ラスボス将門くらいで収めて欲しかった。
また、終盤の戦闘が少し呆気ないように感じた。ラスボス戦はもちろんだが、例えば継信vs忠信は金メッキの矢を当てたら終わってしまいもうちょっと戦闘中のやり取りやらを描いて欲しかった。。。
味方の人数と敵の主要メンバーの数が近しかったので各々1vs1の熱いバトルが見えると思ったらそうもいかずに何とも中途半端な感情になってしまった。
最終章に関しては歴史物というだけでなく独自のファンタジー要素を加えたかったのだろうしそこに関しては良かったと思います。
とまあ最終章に関しては思うところがあるが全体を通して楽しく読める部分が多く、エピローグもインレらしい終わり方で好みでした。また次回作も期待したいです。
章別点数評価…1章:87点,2章:88点,3章:78点 平均84点