他の追随を許さぬ圧倒的な世界観。ダークファンタジーの最高峰。真の意味で魅力的な「人間」が登場する作品。魅力的な「萌えキャラ」が目当てなら他をあたりな。
このゲームに、萌えなど存在しない。
魅力はある。
ヒロインみんなが魅力的。
だがそれは、所謂「萌え」ではない。そういう魅力ではない。
登場人物全員が人間臭い。
美しい部分も、汚い一面も、限りなく人間臭い。
そして、そんな人間臭さ(=リアリティ)を土台にして魅力的に仕立て上げられたキャラクターは、プレイヤーを惹きつけて離さない。
一般人にはとても勧められない。児童文学に詳しくないと楽しめない。・・・等という意見をよく目にする。
本作品のシナリオは確かに難しい。
というか、そもそも「Forest」というゲーム全体を構築するセカイそのものが難しい。
が、シナリオもセカイも引用される児童文学やイギリス文学も、意味なんて厳密に理解できなくていい。
正直私も、「どんなゲームなの?」と人に聞かれれば、魅力を語りまくる自信があるが、
「どんなシナリオなの?」と聞かれても、おそらく説明できない。
しかし、これでいい。
本当に素晴らしい歌は、言語を越えてでも、歌詞がわからくても、伝わる。それと同じだ。
このゲームを1度プレイした人は良くも悪くも衝撃を受ける。
ある人は、「サウンドノベルゲームのひとつの到達点だ。」と、賞賛を送り、
ある人は、「なにこれ?わけわからん。」と、目を背ける。
だが、
「まぁ、こんなもんじゃないの?」というような微妙な評価は珍しい。
評価は見事に2分される。
アクが強すぎるのだ。
・・・さて、これを読んでいるあなたは、どのような評価を下すのでしょうか。
これを読んでいるということは、少なからず「Forest」というゲームに興味があるのだと思います。
Forestというゲームが気になる方、ファンタジーが好きな方、メルヘンが好きな方、昨今の萌えゲーに飽食気味の方、
是非、お試しください。
その際は、構えることなく、頭カラッポにしてどうぞ。
世界観さえ受け入れることが出来たならしめたもの。
あとはただひたすらに、かつ受動的に文字の濁流に飲み込まれ、流されれば良いだけです。
星空めてお氏の絶妙なコトバアソビに酔いしれるも良し。
茗荷屋甚六氏の巧妙なオトアソビに酔いしれるも良し。
数は少ないながらも一つ一つが光るBGMに酔いしれるも良し。
好き嫌いの分かれる、通好みの美酒はいかが?