特に奇抜なシナリオなわけでもないし、予想外の展開があるわけでもない。それなのに、終わってほしくない・ずっとこの世界に浸っていたいと感じてしまう不思議な作品。毎度シナリオの深さやテキストの上手さを特に重視してしまう自分だが、これに限っては砂糖菓子のような甘い雰囲気に飲み込まれてしまった。これぞ萌えゲー。
のいぢさんの絵はふわふわとしててとても可愛いし、ぼかしを多用した塗りや淡い配色も雰囲気にあっている。
画面のデザイン・演出・丁寧な心配り(例えば各ヒロインのルートによってセーブ・ロード画面のキャラが変わる)が嬉しかった。
シナリオについては、平凡な魔法少女もの。
日常パートのクラスメイトとの会話も、よくあるテンプレ会話だ。
そんな退屈さも特に問題はないと思わせてしまう世界観。それがいいんだよな。と思わせてしまう雰囲気。
すももの「キャッ」がわざとらしくてなんかムカつくが、萌える。
そして「はじめての恋」のふたりの初々しさがとてもほほえましい。
主人公もすももも、じれったいし考えすぎだし、端から見ていてイライラするが、初めてってそういうものだ。
女性ライターのややくどい心理描写が、この作品においてはよい方向に出ている。
すもものHシーンまでの持っていきかたがすごく自然だと思うし、心理描写もリアルだ。
感極まった二人の気持ちにシンクロしてしまい、Hシーンで泣くという初めての体験をしてしまった。
Hシーン自体ははっきり言って薄いが、濃くてもおかしいと思うので、
この作品に関してはこれでよいと思える。
音楽もとても美しいし、ファンタジックで切ない雰囲気を盛り上げてくれた。
サントラは買いです。
自分の好みにピッタリとハマったからこその高評価で全く客観的ではないが、
キャラ萌えに特化したゲームとしては非常に丁寧なつくりであることは間違いない。
そうそう、自分はテキストのフォントを無理矢理「あくびん」フォントに変更してプレイしました。
(タイトルやシステム画面に使用されているフリーフォント)
たまに出ない漢字もあるが、雰囲気はバッチリ。オススメ。